
相続放棄、2025年は過去最多32.4万件。「負動産」を家族に残さないために、今できること
PETTERS REAL ESTATE COLUMN
相続放棄、2025年は過去最多32.4万件。
「負動産」を家族に残さないために、今できること
2026年7月12日更新
2025年の相続放棄の件数が過去最多の32.4万件にのぼったと報じられました(出典:SmartNews配信記事「相続放棄、25年は最多32.4万件 親族の『負動産』避ける動き」)。この数字は、単なるニュースではありません。「実家を相続したくない」と考える人が、これほど増えているという現実を示しています。今日は、なぜ相続放棄がここまで増えているのか、そして相続が発生する前にできる対策について、当社の専門分野も交えてお伝えします。
「うちは大丈夫」と思っていても、相続は誰にでも、ある日突然訪れます。事前の備えがあるかないかで、残されたご家族の負担は大きく変わります。
この記事でお伝えすること
① 相続放棄、5年連続で増加し続けている実態
② なぜ「負動産」を理由に相続放棄が選ばれるのか
③ 相続放棄には限界がある——万能ではない理由
④ 相続が発生する前にできる対策
⑤ 当社が相続対策に強い理由
⑥ 生前対策チェックリスト
① 相続放棄、5年連続で増加し続けている実態
最高裁判所の司法統計によると、全国の家庭裁判所が受理した相続放棄の件数は、令和元年(2019年)の225,416件から、令和2年234,732件、令和3年251,994件、令和4年260,497件、令和5年282,785件と、5年連続で過去最多を更新し続けています(出典:司法統計年報「家事事件編」)。そして冒頭でお伝えしたとおり、2025年にはついに32.4万件に達したと報じられました。わずか6年ほどの間に、相続放棄の件数は1.4倍以上に増えている計算になります。
相続放棄とは、被相続人の財産を一切受け継がないことを家庭裁判所に申し立て、認められる制度です。プラスの財産もマイナスの財産も、両方をまとめて放棄することになります(出典:日本司法書士会連合会「しほサーチ」相続放棄解説)。かつては「借金を相続したくない」という理由が中心でしたが、近年は事情が変わってきています。
② なぜ「負動産」を理由に相続放棄が選ばれるのか
近年増えているのが、「借金」ではなく「不動産」そのものを理由とした相続放棄です。売るに売れず、貸すこともできず、それでいて固定資産税や維持管理費だけがかかり続ける不動産は、「負動産」と呼ばれ、社会問題として取り上げられるようになりました(出典:不動産関連メディア複数解説記事)。
都内のある司法書士事務所には、毎月100件以上の相続放棄の相談が寄せられているとされ、その多くが「親の借金を相続したくない」だけでなく「価値のない不動産を引き継ぎたくない」という理由だといいます(出典:不動産メディア「増え続ける相続放棄と負動産」解説記事)。当社にご相談いただく「実家をどうしたらいいか分からない」というお悩みも、まさにこの負動産予備軍のケースがほとんどです。
「実家が負動産になるかもしれない」と感じたら、早めのご相談をおすすめします
③ 相続放棄には限界がある——万能ではない理由
「いらない不動産だけ放棄すればいい」と思われがちですが、相続放棄は一部の財産だけを選んで放棄することができません。預貯金や有価証券など、価値のあるプラスの財産も含めて、すべてを放棄することになります(出典:不動産相続メディア「負動産の相続放棄をするには」解説記事)。
さらに、自分が相続放棄をすると、その負動産は次の順位の相続人(兄弟姉妹や甥・姪など)に引き継がれます。疎遠だった親族に、ある日突然「負動産」の管理義務が回ってくるという事態も、実際に多く報告されています(出典:相続放棄相談センター解説記事)。
また、2023年の民法改正により、相続放棄をした後でも、実際にその不動産を占有していた場合は「保存義務」が残ることが明確化されました(出典:司法書士事務所解説記事「相続放棄をした者の責任」)。つまり、相続放棄は「引き継ぎたくない」という気持ちを実現する強力な手段ではあるものの、決して万能の解決策ではないのです。
④ 相続が発生する前にできる対策
相続放棄という「発生後の対処法」に頼らずに済むよう、本当に大切なのは「発生する前」の備えです。以下のような対策を、元気なうちから検討しておくことをおすすめします。
1. 生前のうちに不動産の価値を把握しておく
「負動産になりそうかどうか」は、実際に査定を受けてみないと分からないことがほとんどです。将来相続する可能性のある不動産について、早めに専門家に相談し、現状の価値を把握しておくことが第一歩になります。
2. 生前売却・生前贈与を検討する
活用予定のない不動産であれば、所有者が元気なうちに売却してしまうことで、相続財産をシンプルにできます。相続発生後は共有者間の合意形成に時間がかかりがちですが、生前であれば所有者の意思だけで判断・実行できるという大きなメリットがあります。
3. 賃貸活用など「負動産化」を防ぐ選択肢を検討する
売却以外にも、賃貸物件として活用することで収益を生む資産に変えられるケースもあります。特にペット可物件としての需要は、供給に対して常に不足している状況が続いているため、活用の選択肢として検討する価値があります。
4. 遺言書の作成や家族信託の活用
誰にどの財産を引き継がせるかを明確にしておくことで、相続発生後の遺産分割協議の負担を減らせます。判断能力が低下した場合に備え、家族信託などの制度を活用することも選択肢のひとつです。これらは司法書士・税理士など専門家の領域になりますが、当社では必要に応じて連携先の専門家をご紹介することも可能です。
不動産の査定・活用のご相談から、専門家との連携まで承ります
⑤ 当社が相続対策に強い理由
当社は、ペット可賃貸を専門とする不動産会社としてご紹介いただくことが多いのですが、実は相続対策のご相談にも力を入れています。代表自身が不動産業界で25年以上のキャリアを持ち、これまで数多くのご売却・活用のご相談に対応してきました。
相続不動産は、「売却」「賃貸活用」「土地活用」など複数の選択肢を比較しながら判断する必要があります。特に、活用が難しいと思われがちな古い戸建てでも、ペット可物件として生まれ変わらせることで、収益化できるケースを数多く見てきました。母体である柴崎建設株式会社によるリフォーム提案も含め、他社にはないワンストップのご提案が可能です。
「まだ相続は発生していないけれど、将来のために今から相談しておきたい」という段階でも、もちろん歓迎です。相続が発生してから慌てるのではなく、発生する前に、家族で選択肢を整理しておくお手伝いをしたいと考えています。
生前対策チェックリスト
☐ 将来相続する可能性のある不動産の現在価値を把握している
☐ その不動産の登記名義人・共有者を確認している
☐ 「売る・貸す・活用する」のどれを目指すか、家族で話し合ったことがある
☐ 遺言書の作成を検討したことがある
☐ 固定資産税や維持費など、現時点でのランニングコストを把握している
実際にありがちなケース(一般的な例を基に構成)
ここでは、相続放棄や負動産に関する相談窓口で報告されている内容を参考に、事前対策の有無で結果が大きく変わったケースを2つご紹介します。特定の個人・物件を指すものではなく、複数のケースを踏まえて一般化した内容です。
ケース1:突然届いた「甥」への通知
長年付き合いのなかった叔父が亡くなり、その子どもたち(従兄弟)が全員相続放棄をしたことで、思いがけず自分(甥)に固定資産税の納付通知が届いたケース。疎遠だった親族の負動産が、次の順位の相続人へと静かに引き継がれていく典型例です。事前に親族間で資産状況を共有していれば、このような「寝耳に水」の事態を避けられた可能性があります。
ケース2:生前売却で「負動産化」を回避できたケース
高齢の親が地方に所有していた空き家について、健康なうちに不動産会社へ相談し、生前のうちに売却を完了させたケース。相続発生後に複数の相続人で話し合っていたら、意見がまとまらず長期化していた可能性が高いと考えられますが、所有者本人の判断で早期に動いたことで、スムーズに現金化でき、相続時の遺産分割も円滑に進んだと報告されています。
知っておきたい用語集
負動産:資産価値が乏しく売却・活用が困難な一方、固定資産税や維持費だけがかかり続ける不動産を指す通称。
相続放棄:家庭裁判所への申述により、プラス・マイナス問わずすべての相続財産を放棄する制度。原則、相続開始を知った日から3ヶ月以内に申述が必要。
限定承認:相続財産の範囲内でのみ債務を引き継ぐ制度。相続人全員の合意が必要で、利用件数は相続放棄に比べて少ない。
保存義務:相続放棄をした人が、現に占有していた相続財産について、次の管理者が決まるまで負う最低限の管理義務。
換価分割:相続した不動産を売却し、その代金を相続人間で分配する遺産分割の方法。
よくある質問(Q&A)
Q. まだ親が元気なのですが、相談してもいいのでしょうか?
A. もちろんです。むしろ、元気なうちに相談いただく方が、選択肢は広がります。査定だけのご相談でも問題ありません。
Q. 相続税や登記の相談もできますか?
A. 相続税や登記の専門的な手続きは税理士・司法書士の領域となりますが、当社では必要に応じて信頼できる専門家をご紹介しています。不動産の活用・売却のご相談と合わせて、まずはお気軽にお声がけください。
まとめ|相続放棄という選択をする前に、できることがある
相続放棄が過去最多を更新し続けているという事実は、多くの家族が「負動産」に苦しんでいることの表れです。しかし、相続放棄は一部の財産だけを選べず、次の相続人に負担を先送りしてしまう可能性もある、決して万能な手段ではありません。本当に大切なのは、相続が発生する前に、不動産の価値を把握し、家族で選択肢を話し合っておくことです。当社は不動産の売却・賃貸活用の両面から、相続対策のご相談に力を入れています。まずはお気軽にご相談ください。
「負動産」にしないための一歩を、今から。
相続が発生する前の不動産のご相談も、まずはペッターズ不動産にご相談ください。
業界歴25年以上の経験を活かし、売却・活用の両面からご提案します。
