
【データで検証】ペット可物件はなぜこんなに希少なのか。分譲9割・賃貸2割未満という衝撃の格差を徹底解説
分譲マンションは9割超、賃貸は2割未満。
ペット可物件は、なぜここまで希少なのか
2002年の公団賃貸解禁から現在まで、供給が追いつかない構造をデータで徹底検証
「なぜペット可物件は、こんなに見つからないのだろう」——部屋探しをしたことのある飼い主さんなら、一度はそう感じたことがあるはずです。実はこの感覚、気のせいではありません。新築分譲マンションのペット可普及率が9割を超えている一方、賃貸物件では今なお2割にも届いていないという、驚くほど大きな格差が存在します。今日は、この希少性の正体を、20年以上の歴史とデータから徹底的に検証します。
① 現在地:賃貸のペット可率は19.3%
株式会社LIFULLが運営する「LIFULL HOME'S」の調査によると、ペット可・相談可の物件は2025年3月時点でも全体の19.3%にとどまっています。つまり、賃貸物件全体の8割以上が、今も「ペット不可」のままです(出典:株式会社LIFULL「ペットとの住まい探しの実態調査」2025年)。
全国賃貸住宅新聞の報道でも、SUUMOでのペット相談可能物件の掲載割合は、2019年1月時点の10%から2024年1月時点で18%まで上昇したと伝えられています。5年間で掲載件数自体は倍増したとされていますが、それでも全体に占める割合はいまだ2割弱にとどまっているのが実情です(出典:全国賃貸住宅新聞「ペット可賃貸、ニーズ拡大続く」)。
② 歴史:2002年の公団賃貸解禁から現在まで
「集合住宅ではペットは飼えない」という常識が変わり始めたのは、実はそう昔のことではありません。2002年、公団賃貸住宅が新規募集物件から試験的にペット飼育を解禁したことをきっかけに、少しずつ賃貸でもペット解禁の機運が高まってきました(出典:大和ハウスウッドリフォーム株式会社「土地活用ブログ」)。
約20年をかけて、賃貸のペット可率は着実に上昇してきました。しかしそのペースは、需要の高まりに対して十分とは言えないというのが現状です。
③ 衝撃の対比:分譲9割、賃貸2割未満
ここで注目したいのが、同じ「マンション」であっても、分譲と賃貸でまったく異なる状況にあるという事実です。新築分譲時の「ペット可マンション普及率」は9割を超えており、堂々とペットを飼えるのが当たり前になっています。中古マンションを含めたストック全体で見ても、築年数の古い物件が多いためペット禁止が4割を占めるものの、5割を超えるペット可のマンションが主流派になりつつあるとされています(出典:大和ハウスウッドリフォーム株式会社「土地活用ブログ」)。
なぜ、これほどの差が生まれるのでしょうか。分譲マンションは購入者自身が資産として長期保有するため、ペット共生を前提とした設計・管理規約を最初から組み込みやすいのに対し、賃貸物件はオーナー(貸主)と入居者が別々であるため、退去時の損耗リスクや入居者間トラブルへの懸念が、供給を慎重にさせる大きな要因になっていると考えられます。
④ なぜ賃貸だけ供給が追いつかないのか
賃貸オーナーがペット可に踏み切れない理由は、主にトラブルと管理コストへの懸念です。既存の物件を、空室が目立ってきたからという理由だけで安易に「ペット可」にするケースでは、トラブルが起こりがちだと指摘されています。ペットを飼う人と飼わない人が混在することが、トラブルの元になるためです(出典:アパート経営・土地活用の知恵袋「部屋探しの絶対条件に見る、"ペット相談可"物件の人気」)。
多くの集合賃貸住宅では、壁や床に傷がつくことを理由にペットの飼育が禁止されているとされ、これは今も昔も変わらない根本的な懸念事項です(出典:ビズアナ「ペット可の賃貸物件は需要が高い?現状と人気の設備や特約を紹介」)。当社の過去記事でもお伝えしたとおり、LIFULL HOME'S加盟不動産会社への調査でも、オーナーが「ペット不可」とする理由の最多は「破損や汚れが発生し、修繕費や回復期間が長くなる可能性があるため」(74.2%)でした。
⑤ 需要はむしろ伸び続けている
供給が伸び悩む一方で、需要側の勢いは止まりません。LIFULL HOME'S加盟の不動産事業者に、直近2〜3年での「ペット可物件」ニーズの変化を尋ねたところ、「とても増えている」29.8%、「やや増えている」37.4%で、合わせて67.2%が増加傾向にあると回答しています(出典:アパート経営・土地活用の知恵袋「ペット共生型賃貸住宅が成功する理由」)。
全国賃貸住宅新聞の報道でも、入居者への意識調査で「ペットを飼いたい」という声が5割を超えているとされ、供給数が増えているとはいえ、まだまだ需要が見込める状況だと分析されています(出典:全国賃貸住宅新聞「ペット可賃貸、ニーズ拡大続く」)。
株式会社いえらぶGROUPの調査では、ペット可物件を「取り扱っている」と回答した不動産会社は70.5%にのぼりますが、実際に部屋探しをしたエンドユーザーのうち19.5%が「希望するエリアでペット可物件が見つからなかった」、同じく19.5%が「ペット可物件の情報が少なく、探しにくかった」と回答しています。取扱会社の多さと、実際に希望条件で見つかるかどうかは、まったく別の問題だということが分かります。
出典:オーナーズ・スタイル・ネット「ペット可賃貸のニーズ拡大中。賃貸オーナーが知るべき市場動向」⑥ 希少性がもたらす3つの現実
LIFULL HOME'Sの調査で「ペット相談可物件探しをしていて感じたこと」を尋ねたところ、上位3つは以下の結果でした(出典:アパート経営・土地活用の知恵袋「部屋探しの絶対条件に見る、"ペット相談可"物件の人気」)。
| 順位 | 感じたこと | 希少性との関係 |
|---|---|---|
| 1位 | 物件数が少ない | 需給ギャップそのものを直接反映 |
| 2位 | 家賃が高い | 希少価値の高まりが価格に転嫁される |
| 3位 | サイズや頭数に制限がある | 数少ない物件の中でも条件がさらに絞られる |
2位の「家賃が高い」は、まさに希少性の直接的な帰結です。物件数が少なければ希少価値が高まり、需給バランスの関係から家賃は上昇します。東京都のデータでは、単身者向け(5〜34㎡)でペット相談可以外の平均家賃86,026円に対し、ペット相談可物件は98,804円と約13%(12,778円)高く、ファミリー向け(35〜100㎡)では約16%(27,371円)も高いという結果が出ています(出典:同資料)。希少価値の高い物件だからこそ、家賃もかなり強気に設定されているのが実情です。
⑦ 地域差という、もうひとつの希少性
ペット可物件の希少性は、全国一律ではありません。都市部では競合物件が多い一方、郊外エリアでは供給自体が絶対的に少ないため、希少性の質が異なります。当社の対応エリアである東京・埼玉・千葉でも、駅ごと・地域ごとに供給状況は大きく異なり、この地域差を把握しているかどうかが、物件探しの効率を左右します。
⑧ 「ペット共生型」という新しい潮流
こうした希少性の問題に対し、新しい動きも出てきています。単に「飼育を許可する」だけの従来型の「ペット可」とは異なり、ペットを家族の一員として「共に生きる」ことをコンセプトにした「ペット共生型」賃貸住宅が登場し、空室待ちが出るほどの人気を集める物件も出てきているとされています(出典:アパート経営・土地活用の知恵袋「ペット共生型賃貸住宅が成功する理由」)。
設備や管理の面で単なる「ペット可」とは明らかに異なり、賃貸住宅では珍しいコミュニティが生まれることもあると紹介されています。全国賃貸住宅新聞の調査でも、ペット可物件のトレンドとして運営事業者は「猫」と「多頭飼い」への対応拡大を挙げており、供給側の意識も少しずつ変化してきていることがうかがえます(出典:全国賃貸住宅新聞「ペット可賃貸、ニーズ拡大続く」)。
⑨ この希少性に、当社はどう向き合っているか
希少性という構造的な課題に対し、当社が取っているアプローチは大きく2つです。ひとつは、業者間ネットワークを活かした非公開物件の確保です。当社は東京・埼玉・千葉エリアで常時約4,000件の物件情報を保有していますが、ホームページに掲載しているのは約1,000件のみで、残りの約3,000件は非公開物件として保有しています。表に出る前の情報をいち早くキャッチし、希少な物件を確実にご案内できる体制を整えています。
もうひとつは、「不可」「相談可」物件のオーナー様との個別交渉です。以前の記事でもお伝えしたとおり、掲載条件だけで諦めず、具体的な対策やペットのプロフィールを提示することで、可能性を広げられるケースが少なくありません。希少性そのものをなくすことはできなくても、その中で最善の選択肢を見つけるお手伝いをすることが、当社の役割だと考えています。
⑩ 知っておきたい用語集
ペット共生型賃貸住宅:単なる飼育許可にとどまらず、設備・管理面でペットとの暮らしを前提に設計された賃貸住宅。
需給ギャップ:需要(借りたい人の数)と供給(貸せる物件の数)の差。ギャップが大きいほど希少性・価格が上昇する。
非公開物件:ポータルサイト等に掲載されず、不動産会社が個別に保有・紹介する物件情報。
ペット相談可:飼育の可否がオーナーとの個別協議に委ねられている物件の表記。
⑪ よくある質問
Q. 今後、賃貸のペット可率はさらに上昇しますか?
A. 需要の高まりを背景に、緩やかな上昇傾向は続くと考えられますが、確定した未来ではありません。過去5年間で10%から18〜19%程度への上昇にとどまっている点を踏まえると、当面は希少性が続く可能性が高いと見られます。
Q. 「ペット共生型」の物件は、通常のペット可物件より家賃が高いですか?
A. 設備投資が手厚い分、通常のペット可物件より高めに設定されるケースが多い傾向にあります。ただしトラブル防止の観点では長期的なメリットも大きいとされています。
Q. 希少な物件を確実に押さえるには、どうすればいいですか?
A. 情報収集を早めに始め、信頼できる不動産会社と早期につながっておくことが有効です。当社では、非公開物件を含めた情報をいち早くお届けする体制を整えています。
希少なペット可物件、諦める前にご相談ください
非公開物件約3,000件を含むデータベースと、オーナー様との交渉力で、希少性という壁を乗り越えるお手伝いをします。しつこい営業は行いません。
