
「猫の方が退去費用は高い?」
犬・猫で異なる原状回復費用のリアル
「犬の方が体が大きいから、部屋への影響も大きいはず」——そう思っている方は多いのではないでしょうか。しかし実際のデータを見ると、ペット可物件の原状回復費用は、犬より猫の方が高くなる傾向があります。この記事では、犬と猫それぞれの費用相場と、なぜ猫の方が費用がかさみやすいのか、その理由と対策を解説します。
この記事でわかること
犬より猫の方が退去費用が高いという事実
ヒトトイエの解説によると、ペット可物件の原状回復費用は、犬が平均で約5万5,000円、猫が平均で約8万5,000円とされています。体格や運動量を考えると「犬の方が費用がかかりそう」と思われがちですが、実際のデータはその直感とは逆の結果を示しています。
テクトピアの解説では、ペット可物件全体の退去費用は1DKで家賃2〜3ヶ月分(約10万〜20万円)が相場とされており、大がかりな修繕が必要になればさらに高額になるとされています。犬・猫それぞれの傾向を知っておくことは、これから物件を借りる方にとっても、すでにペットと暮らしている方にとっても、有益な情報と言えます。
なぜ猫の方が費用がかさみやすいのか
猫が犬より原状回復費用がかかりやすい最大の理由は、「爪とぎ」という猫特有の本能行動にあります。ペットと暮らしのWebマガジンの解説によると、猫はしばしば壁や柱で爪をとぎ、飼い主を悩ませますが、これは爪をとがった状態に保つほか、ストレス解消やマーキングといった意味を持つ、本能に基づいた行動であり、やめさせることは基本的にできないとされています。
犬の場合、フローリングの傷や物を噛んでしまうことによる損耗が中心になりますが、猫の場合は壁紙という、部屋の広い面積を占める部分そのものに直接ダメージが及びやすいという違いがあります。壁紙の張り替えは面積単位で費用がかかるため、結果として金額が大きくなりやすいのです。
「爪とぎ」は猫のしつけ問題として扱われる
ペットと暮らしのWebマガジンの解説によると、国土交通省の原状回復ガイドラインでは、通常の生活で生じる損耗は貸主負担が原則とされていますが、ペットによって付いた柱や壁紙の傷は「ペットのしつけの問題」とみなされ、原状回復費用は入居者(借主)の負担となる場合が多いとされています。
猫が好んで爪とぎをする場所は、室内ドアのすぐ横の壁、猫トイレの近く、壁の角など、生活動線上のさまざまな場所に及びます。しかも成猫は立ち上がると意外と高い位置まで届くため、思わぬ範囲まで傷がついてしまうことも珍しくありません。
猫と暮らせる物件、退去費用の心配も含めてお気軽にご相談ください。
「スプレー行動」という、もう一つの要因
獣医師監修のかやま動物病院の解説によると、猫には「スプレー行動」と呼ばれる独特のマーキング方法があり、壁や家具に対して後ろ向きになり、尻尾を立てて小刻みに震わせながら、霧状の尿を噴射するとされています。これは犬にはあまり見られない、猫特有の行動です。
ペットラインの解説では、猫は肉球にある臭腺からもにおいを出しており、爪とぎと同時ににおいのマーキングを行っているとされています。壁紙に染み込んだ尿のにおいは、クリーニングだけでは取り切れないことも多く、これも猫の退去費用が高額になりやすい一因と考えられます。
敷金の設定にも表れる、犬猫の違い
ヒトトイエの解説によると、ペット可物件では退去後の清掃・修繕を見込んで、敷金が通常より1〜2ヶ月分高めに設定される傾向があります。犬・猫を問わず適用されることが一般的ですが、猫を飼う場合は、契約時にこの敷金の内訳や、原状回復に関する特約の内容をより注意深く確認しておくと安心です。
| 項目 | 犬 | 猫 |
|---|---|---|
| 主な損耗の原因 | 床の傷、噛み跡 | 壁紙の爪とぎ跡、におい |
| 損耗の範囲 | 床面が中心 | 壁面の広い範囲に及ぶことがある |
| 原状回復費用の平均 | 約5万5,000円 | 約8万5,000円 |
猫との暮らしで今日からできる対策
退去費用を抑えるための対策は、決して難しいものではありません。日々の少しの工夫で、大きな差が生まれます。
- 猫が好んで爪とぎをする場所(ドア横・トイレ横・壁の角)を観察し、あらかじめ保護シートを貼る
- 成猫が届く高さ(約90cm程度)までしっかりカバーする
- お気に入りの爪とぎ器を複数用意し、そちらに誘導する
- 定期的な爪切りで、爪とぎそのものの頻度を減らす
- スプレー行動が見られる場合は、ストレスの原因(環境変化など)を見直す
爪とぎもスプレー行動も、猫にとっては自然な本能行動です。「やめさせる」より「誘導する」という発想で対策することが、猫のストレスを減らしながら部屋を守ることにつながります。
犬を飼う方が気をつけたいポイント
犬の場合も、費用が発生する要因がないわけではありません。フローリングの引っかき傷や、留守番中の家具の破損、足裏の汚れによる床の変色などが代表的です。マットやカーペットを敷いて床を保護する、爪を定期的に切る、といった対策は犬にも有効です。
獣医師監修のかやま動物病院の解説によると、犬にも散歩中の電柱などへのマーキング行動は見られますが、室内でのマーキングが見られる場合は、ストレスや不安を抱えている可能性もあるとされています。行動の変化に気づいたら、早めに対応することが大切です。
ペッターズ不動産にご相談ください
ペッターズ不動産は、ペット可物件専門の賃貸仲介として、犬種・猫種それぞれの特性を踏まえたご提案を行っています。「猫を飼う予定だが、退去費用が心配」というご相談にも、契約時の特約の内容や、あらかじめできる対策まで含めて丁寧にご説明します。
猫の爪とぎに配慮した壁材を使用した共生型物件のご紹介も可能です。退去時に慌てないためにも、契約前の段階からお気軽にご相談ください。
まとめ——体格ではなく「行動の習性」が費用を左右する
ペット可物件の原状回復費用は、体の大きさではなく、その動物特有の行動習性によって左右されます。猫の爪とぎやスプレー行動は、壁紙という広い面積に直接ダメージを与えやすく、結果として犬より高額な費用につながりやすい傾向があります。とはいえ、これらはいずれも猫にとって自然な本能行動であり、爪とぎ場所の誘導や壁の保護といった日々の工夫で、費用を抑えることは十分に可能です。愛猫との暮らしをあきらめる必要はなく、正しい知識と少しの備えがあれば、快適な賃貸生活を送ることができます。
- ヒトトイエ「ペット可賃貸物件の退去費用は高い?費用相場や節約対策についても解説」
- テクトピア「ペット可物件の退去費用とは?退去費用の相場や費用を抑えるための対策を解説」
- ペットと暮らしのWebマガジン「賃貸住宅で猫と暮らす!壁の爪とぎ対策や退去時にかかる費用などまとめ」
- ペットライン「猫ちゃんのマーキングとスプレーの意味と対処方法」(獣医師監修)
- かやま動物病院「獣医師が教える『犬と猫のマーキング&スプレー行動の理由と対策』」
