「ペット可」と「ペット共生型」は別物です。6割が望む暮らしと、実際の物件のギャップの画像

「ペット可」と「ペット共生型」は別物です。6割が望む暮らしと、実際の物件のギャップ

ペットと暮らす賃貸

 柴崎 孝行

筆者 柴崎 孝行

不動産キャリア22年

代表の柴崎です、ご覧いただきありがとうございます。

中古不動産のリノベーション会社、売買仲介会社、リフォーム会社、賃貸仲介等様々な不動産関係のお仕事に携わって参りました。

その経験の中で、賃貸不動産のペットの扱いがひどいと感じてペッターズ不動産を運営しております。

私自身も愛犬家ですので、お客様の目線に合わせた提案が得意です。


お気軽にご相談お待ちしています

物件探しガイド 完全版

「ペット可」と「ペット共生型」は別物です。
6割が望む暮らしと、実際の物件のギャップ 飼育者の62.8%が「共生型」を望むのに、実際に住めているのはわずか2割——その理由と、賢い探し方を解説

2026年8月30日 ペッターズ不動産 読了目安 約12分

「ペットと暮らせる部屋」を探すとき、多くの方が最初に目にするのは「ペット可」という文字です。しかし実は、ペットと暮らせる賃貸には「ペット可」と「ペット共生型」という、似ているようでまったく違う2種類が存在することをご存知でしょうか。飼育者の6割以上が本当は「共生型」を望んでいるにもかかわらず、実際にそこに住めている人はわずか2割ほどにとどまっています。このギャップはなぜ生まれるのか、そして理想の住まいにどう近づけばよいのか——最新データをもとに解説します。

犬猫の数が子どもの数を超えた時代

ペットを家族の一員と考える人が年々増えています。2024年の犬と猫を合わせた飼育数は1,595万頭にのぼり、これは15歳未満の子どもの数である1,401万人を上回っています。少子化が進む一方で、ペットは私たちの暮らしの中でますます大きな存在になっているのです。

1,595万頭
2024年 犬猫飼育数合計
1,401万人
15歳未満の子どもの数
5割超
首都圏築浅物件のペット可割合

不動産ポータルサイトのSUUMOでも、ペット相談可能物件の掲載割合は2019年の10%から2024年には18%まで上昇しており、供給側もこの需要拡大に対応し始めています。しかし、供給が増えているのは主に従来型の「ペット可」物件であり、本当にペットとの暮らしに配慮された「共生型」物件は、まだごく一部にとどまっているのが実情です。

「ペット可」と「ペット共生型」は何が違うのか

「ペットと暮らせる賃貸」とひとことで言っても、実は中身は大きく異なります。ペット可物件は、一般的な賃貸住宅において飼育を「許可」しているだけの物件です。一方でペット共生型物件は、企画・設計の段階からペットとの暮らしを前提につくられており、備わっている設備そのものが違います。

項目 ペット可物件 ペット共生型物件
位置づけ 飼育を許可する「条件」 前提として設計された「物件」
床材・壁材 一般物件と同じことが多い 傷・汚れに強い専用素材
専用設備 基本的になし 足洗い場・リードフック・ヘアキャッチャー等
物件数 比較的多い まだ少数
家賃水準 一般物件より5〜20%程度高め ペット可よりさらに高め

つまり「ペット可=ペットに優しい部屋」とは限らないのです。申告さえすれば飼育できる物件は多くても、実際に暮らしてみると「床が傷だらけになった」「におい対策が足りない」といったミスマッチが起きやすいのは、こうした構造の違いによるものです。

住みたい人62.8%、実際に住む人20.9%というギャップ

ペット飼育者を対象にした調査では、興味深いギャップが明らかになっています。現在ペット可賃貸に住んでいる人が72.5%であるのに対し、ペット共生型賃貸に住んでいる人はわずか20.9%。ところが「ペット共生型賃貸に住みたい」と答えた人は62.8%にのぼり、理想と現実の間に大きな開きがあることが分かります。

実態と希望のギャップ

現在「ペット共生型」に住んでいる人20.9%
「ペット共生型」に住みたい人62.8%
約3倍のギャップ

このギャップは、決して「共生型を知らないから住んでいない」わけではありません。多くの方はその存在を知っていても、物件数の少なさや家賃の高さから、やむを得ず一般的なペット可物件を選んでいるのが実情です。

なぜギャップが埋まらないのか

ペット共生型物件がなかなか増えない背景には、供給側であるオーナー・不動産会社側の事情があります。共生型物件を新たに企画・建築するには、専用の床材・壁材や足洗い場などの設備投資が必要で、初期コストが一般物件より高くなります。また、賃貸物件を取り扱う業者の対応にも差があり、ペット可への転用を積極的に勧める業者と、トラブルを懸念して消極的な業者の両方が存在します。

間に入る不動産会社が積極的でないと、空室対策のために「ペット可」への転換を検討していたオーナーも、最終的な決断を躊躇してしまいがちです。共生型物件がまだ少数派である背景には、こうした供給側の判断の分かれが大きく影響しています。

「トラブルへの不安」という心理的なハードル

オーナー側が共生型への転換をためらう理由としてよく挙がるのが、鳴き声・臭い・傷などによる近隣トラブルへの不安です。実際には、共生型物件は最初からペットとの暮らしを前提とした入居者が集まるため、ペット可物件よりもむしろトラブルが起きにくいという指摘もあります。しかし、この事実がオーナーや管理会社に十分に浸透していないことも、供給が伸び悩む一因になっています。

つまり、共生型物件を借りやすくするためには、需要側の声だけでなく、供給側に共生型物件の価値をきちんと伝えられる不動産会社の存在が重要になります。

「共生型に近い物件を探したい」「大型犬・多頭飼いでも相談したい」という方は、お気軽にご連絡ください。

家賃はどれくらい違うのか

気になる家賃の差についても見てみましょう。ペット可物件の家賃は、一般の賃貸より約5〜20%高く設定されている傾向があります。たとえば家賃10万円の物件であれば、5,000円から2万円程度の上乗せを想定しておくとよいでしょう。共生型物件では、防音や消臭などの設備が整っている分、さらに家賃が高めに設定される傾向があります。

一般物件
10万円
ペット可
10.5〜12万円
ペット共生型
さらに高め

ただし、共生型物件は原状回復費用を抑える工夫が取り入れられていることも多く、月々の家賃だけでなく、退去時のトータルコストまで含めて比較することが大切です。目先の家賃だけで判断すると、結果的に割高になってしまうケースもあります。傷やにおいによる原状回復費用は、通常の賃貸でもペットを飼っている場合は高額になりやすい項目のひとつです。共生型物件のように傷に強い床材や消臭壁材があらかじめ採用されていれば、退去時の負担を結果的に抑えられる可能性があります。

共生型物件のメリット・注意点

メリット

滑りにくい床材・傷に強い内装材によりペットの足腰への負担が軽減され、足洗い場やリードフックなど専用設備で日々のお世話が楽になります。ペットを飼うことが前提の入居者ばかりのため、鳴き声や臭いへの理解も得られやすい環境です。

注意点

物件数がまだ少なく、希望エリアで見つからない場合があります。家賃も高めになりやすく、多頭飼いに対応できる広さや管理規約は物件ごとに異なるため、事前確認が欠かせません。

Q. 共生型物件が近くに見つからない場合はどうすればいいですか?

共生型に限定せず、ペット可物件の中でも、床材のグレードが高い・防音性のある構造・過去にペット飼育のトラブルが少ない物件を選ぶことで、共生型に近い快適さを実現できるケースがあります。地域の不動産会社に相談しながら探すのがおすすめです。

Q. 多頭飼いでも共生型物件は借りられますか?

物件によって頭数制限は異なります。事前に希望する頭数・体重・年齢などを正確に伝えることで、入居後のトラブルを防ぎやすくなります。

理想の物件に近づくための探し方

共生型物件がまだ少数派である以上、「共生型でなければダメ」と条件を絞りすぎると、選択肢が大きく狭まってしまいます。理想の暮らしに近づけるための現実的なアプローチを整理しました。

  • 「共生型」だけでなく「ペット可」物件の中でも床材・防音性を個別に確認する
  • 未公開物件も含めて幅広く探せる不動産会社に相談する(ポータルサイトには出ない物件も多い)
  • 将来的なリフォーム前提で、購入という選択肢も視野に入れる
  • 大型犬・多頭飼いなど条件が特殊な場合は、早めに専門知識のある会社へ相談する
  • 退去時の原状回復費用まで含めたトータルコストで比較する

特に、ポータルサイトに掲載されている物件は市場に出ている物件のごく一部にすぎません。共生型に近い条件の物件や、まだ公開されていない好条件の物件は、地域に根ざした不動産会社が独自に把握しているケースが多いのです。物件の頭数や大きさ・種類、共用設備の使い方などは契約書や規約に定められているため、内見の段階でしっかり確認し、後からのトラブルを防ぐことも忘れないようにしましょう。

ペッターズ不動産だからこそご案内できること

ペッターズ不動産は、ペット可物件専門の賃貸仲介として、犬種・猫種ごとの特性や、大型犬・多頭飼いのご事情まで踏まえたご提案を行っています。共生型物件はもちろん、一般的なペット可物件の中からも「本当にペットと快適に暮らせる物件」を見極めてご紹介できるのが強みです。

全物件数は約4,000件、ホームページ掲載は約1,000件、未公開物件も約3,000件保有しており、ポータルサイトだけでは出会えない選択肢の中からご希望に近い住まいをご提案します。また、当社の母体は売買仲介を専門としてきた柴崎建設株式会社のため、「将来的に購入も検討したい」というご相談にも同じ体制で対応できます。

理想の暮らしに近い物件、一緒に探しませんか

未公開物件を含めた幅広い選択肢から、ペットとの暮らしに合う住まいをご提案します。大型犬・多頭飼いのご相談も歓迎です。

まとめ——「共生型」を知ることが、理想の住まいへの第一歩

「ペット可」と「ペット共生型」は、似ているようでまったく違う存在です。飼育者の6割以上が本当に望んでいるのは、ペットとの暮らしを前提に設計された共生型の住まいですが、供給はまだ追いついていません。だからこそ、条件を絞りすぎず、床材・防音性・原状回復費用まで含めて総合的に比較すること、そして未公開物件まで幅広く扱う不動産会社に相談することが、理想の住まいに近づく現実的な近道になります。

  • 一般社団法人ペットフード協会「令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査」
  • 日本経済新聞「ペット『可』じゃない、『共生』だ!」2026年5月10日
  • 週刊全国賃貸住宅新聞「ペット可賃貸、ニーズ拡大続く」
  • オーナーズ・スタイル・ネット「ペット可賃貸のニーズ拡大中。賃貸オーナーが知るべき市場動向」(いえらぶGROUP調査・パナソニック ホームズ調査)
  • LIFULL HOME'S「ペットとの住まい探しの実態調査」
  • 東建コーポレーション「ペット共生型賃貸住宅経営とは?」
  • シンクロ株式会社「ペット可物件とペット不可物件の違いは何?」
  • 安い!格安/激安賃貸なら部屋まる。「ペット可賃貸が高いのはなぜ?」(東新住建調べ)

”ペットと暮らす賃貸”おすすめ記事

  • 【完全版】その「ペット可」、罠かもしれません。入居後に後悔した7つのリアルな声と、二度と失敗しないためのチェックリストの画像

    【完全版】その「ペット可」、罠かもしれません。入居後に後悔した7つのリアルな声と、二度と失敗しないためのチェックリスト

    ペットと暮らす賃貸

  • 【新しい選択肢】ペット共生シェアハウスとは?入居者同士で助け合う新しい暮らし方の画像

    【新しい選択肢】ペット共生シェアハウスとは?入居者同士で助け合う新しい暮らし方

    ペットと暮らす賃貸

  • 【完全版】分譲マンション購入者も油断できない、管理組合のペット規約トラブルの画像

    【完全版】分譲マンション購入者も油断できない、管理組合のペット規約トラブル

    ペットと暮らす賃貸

  • 【市場分析】「普通のアパート」が生き残れない時代に。ペット共生住宅という差別化戦略の画像

    【市場分析】「普通のアパート」が生き残れない時代に。ペット共生住宅という差別化戦略

    ペットと暮らす賃貸

  • 【完全版】ペット可物件のフローリング・壁紙、素材別の傷つきやすさを徹底比較の画像

    【完全版】ペット可物件のフローリング・壁紙、素材別の傷つきやすさを徹底比較

    ペットと暮らす賃貸

  • 【完全版】エレベーター・共用廊下でのペットマナー違反トラブル。重大事故のリスクと正しいルールを徹底解説の画像

    【完全版】エレベーター・共用廊下でのペットマナー違反トラブル。重大事故のリスクと正しいルールを徹底解説

    ペットと暮らす賃貸

もっと見る