
ペット可物件の家賃は本当に高いのか? データで見る相場の実態と、賢く探すコツ
PETTERS REAL ESTATE COLUMN
ペット可物件の家賃は本当に高いのか?
データで見る相場の実態と、賢く探すコツ
2026年7月3日更新
「ペット可物件は家賃が高い」——お部屋探しをされている方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
実際のところ、この印象はどこまで正しいのでしょうか。
今日は、大手不動産ポータルの調査データをもとに、ペット可物件の家賃・敷金の実態を数字で検証し、そのうえで賢く探すためのコツをお伝えします。
結論から言うと、「ペット可物件は確かに家賃が高い」というのはデータ的にも事実です。
ただし、その理由や差額の大きさを正しく理解しておくことで、物件選びの戦略は大きく変わってきます。
この記事でお伝えすること
① 全国データで見るペット可物件の家賃差
② 東京23区データで見る単身・ファミリー別の差
③ なぜペット可物件は家賃が高くなるのか
④ 敷金・礼金の実態
⑤ 「早く決まる」というもう一つの事実
⑥ 家賃を抑えて探すための5つのコツ
⑦ 入居後にかかる意外なコストにも要注意
① 全国データで見るペット可物件の家賃差
株式会社LIFULLが運営する「LIFULL HOME'S」が2025年に発表した調査によると、「ペット可」物件の掲載賃料は平均112,771円であるのに対し、「ペット不可」物件は平均78,253円と、その差は34,518円にのぼることが明らかになっています(出典:株式会社LIFULL「ペットとの住まい探しの実態調査」2025年)。
これは全国の掲載物件を対象にした平均値であり、単純比較のため物件の広さやエリアによる差も含まれますが、それでも3万円を超える差は、家計への影響として決して小さくありません。
実際、ペットとの住まい探しの経験がある人へのアンケートでは、91.6%が「住まい探しで不便や困りごとを感じた経験がある」と回答しており、その理由の上位に「家賃や敷金の追加費用」が挙げられています(出典:同調査)。
② 東京23区データで見る単身・ファミリー別の差
より条件をそろえた比較として、LIFULL HOME'Sが東京都23区内で行った調査も参考になります。
単身者向け(5〜34㎡)の物件では、ペット相談可以外の平均家賃が86,026円であるのに対し、ペット相談可物件は98,804円と、12,778円高いという結果でした(出典:株式会社LIFULL「ペット相談可物件が多く、家賃が安い駅ランキング」)。
ファミリー向け(35〜100㎡)ではさらに差が広がり、ペット相談可以外の平均家賃が176,175円であるのに対し、ペット相談可物件は203,546円と、27,371円高いという結果になっています(出典:同調査)。
広い部屋になるほど、ペット可という条件が家賃に与える影響は大きくなる傾向があるといえそうです。
「予算内でペット可物件が見つかるか不安」という方は、まずはお気軽にご相談ください
③ なぜペット可物件は家賃が高くなるのか
需要に対して供給が圧倒的に少ない
最大の理由は、シンプルに「需要と供給のバランス」です。
LIFULL HOME'Sの調査では、ペット可物件の掲載割合は2022年3月の12.9%から2025年3月には19.3%まで上昇したものの、依然として全体の2割にも届いていません。
一方、クロス・マーケティング社の「ペットに関する調査(2024年)」によると、ペット飼育割合は28.6%にのぼるとされており、明らかに供給が需要に追いついていない状況です(出典:株式会社LIFULL調査、クロス・マーケティング社調査)。
数が少ない物件には、高い賃料でも入居希望者が集まりやすくなります。
貸主側が抱えるリスクへの上乗せ
LIFULL HOME'S加盟の不動産会社を対象にした調査では、オーナーが「ペット不可」とする理由として最も多かったのが「破損や汚れが発生し、修繕費や回復期間が長くなる可能性があるため」で74.2%にのぼりました(出典:同調査)。
逆に言えば、ペットを許可する貸主は、こうした将来的な修繕リスクをあらかじめ想定し、家賃という形でリスクプレミアムを上乗せしている面があると考えられます。
④ 敷金・礼金の実態
家賃だけでなく、初期費用の面でもペット可物件は割高になる傾向があります。
ペット可・相談可の物件では、退去時の原状回復費用に充てるため、敷金を家賃の2ヶ月分程度預かるケースが多いとされています(出典:不動産ポータル解説記事)。
通常の賃貸物件では敷金1ヶ月分が一般的なケースも多いことを踏まえると、初期費用の総額で見ると数万円〜十数万円の差が生まれることになります。
アンケート調査でも、住まい探しで不便を感じた理由として「敷金・礼金の追加費用」が上位に挙げられており、家賃だけでなく初期費用の面でも負担を感じている方が多いことがうかがえます(出典:株式会社LIFULL「ペットとの住まい探しの実態調査」)。
初期費用も含めたトータルの資金計画、一緒に整理しませんか
⑤ 「早く決まる」というもう一つの事実
家賃が高いというマイナス面がある一方で、興味深いデータもあります。
LIFULL HOME'Sの調査では、ペット可物件の平均掲載日数は66.8日であるのに対し、ペット不可物件は83.4日と、ペット可物件の方が16.6日短く、埋まりやすいことが分かっています(出典:株式会社LIFULL「ペットとの住まい探しの実態調査」)。
これは、数少ないペット可物件に対して、飼い主さんたちが速やかに申し込みを入れる傾向があることを示しています。
裏を返せば「良い条件のペット可物件が見つかったら、迷っている時間はあまりない」ということでもあります。
当社が非公開物件を含めた情報提供にこだわっているのも、こうした「見つけたときにすぐ動ける」体制を整えるためです。
⑥ 家賃を抑えて探すための5つのコツ
1. ペット可物件が集積するエリアを狙う
LIFULL HOME'Sが発表した「ペット相談可物件が多く、家賃が安い駅ランキング」(東京都23区)では、葛飾区の四ツ木駅、足立区の青井駅、北区の浮間舟渡駅などがランクインしています(出典:株式会社LIFULL「ペット相談可物件が多く、家賃が安い駅ランキング」)。
ペット可物件が多いエリアほど、供給と需要のバランスが取れやすく、割高感が緩和される傾向があります。
2. 非公開物件・オーダーメイド提案を活用する
ポータルサイトに掲載されている物件は、全体のごく一部に過ぎません。
当社のように業者間ネットワークを持つ不動産会社を通じることで、掲載前の物件や、条件交渉の余地がある物件に出会える可能性が広がります。
3. 「ペット相談可」の交渉余地がある物件も検討する
「ペット相談可」と表記されている物件は、犬種やサイズ、頭数によっては交渉の余地があるケースもあります。
最初から選択肢を狭めすぎず、幅広く相談してみることをおすすめします。
4. 築年数や設備のバランスを見直す
新築・築浅にこだわらず、ペット対応のリフォームが施された築年数のある物件まで視野を広げることで、家賃を抑えられる可能性があります。
5. 内見のタイミングを逃さない
前述のとおり、ペット可物件は平均16.6日早く決まる傾向があります。
気になる物件が見つかったら、できるだけ早く内見・申し込みの判断をすることが、希望条件での契約につながります。
⑦ 入居後にかかる意外なコストにも要注意
家賃・敷金だけでなく、入居後にかかるコストにも目を向けておくことが大切です。
LIFULL HOME'S加盟不動産会社へのアンケートでは、入居者からのペットにまつわる相談内容として「近隣の部屋のペットの鳴き声がうるさい」が64.9%と最多となり、「先住者のペットによる物件の破損や汚れ」も約3割にのぼっています(出典:株式会社LIFULL「ペットとの住まい探しの実態調査」)。
また、実際にペットと暮らし始めた後、近隣から注意や要請を受けた経験がある人は66.5%と高い割合にのぼるというデータもあります(出典:同調査)。
退去時の原状回復費用についても、通常の物件より高めに見積もっておく必要があります。
目先の家賃だけでなく、こうしたトータルコストも含めて資金計画を立てることをおすすめします。
実例で見る初期費用シミュレーション
ここまでのデータを踏まえ、単身者がペット可物件とペット不可物件を契約する場合の初期費用の違いを、一般的な条件でシミュレーションしてみます(実際の金額は物件・仲介会社により異なります)。
ペット不可物件(家賃86,026円と仮定)
敷金1ヶ月+礼金1ヶ月+前家賃1ヶ月+仲介手数料1ヶ月 = 家賃の4ヶ月分程度
初期費用の目安:約34.4万円
ペット可物件(家賃98,804円と仮定)
敷金2ヶ月+礼金1ヶ月+前家賃1ヶ月+仲介手数料1ヶ月 = 家賃の5ヶ月分程度
初期費用の目安:約49.4万円
家賃差(月額12,778円)に加え、敷金が1ヶ月分多くなることで、初期費用の総額では15万円前後の差が生まれる計算になります。
月々の負担だけでなく、引っ越しのタイミングで必要になるまとまった費用として、あらかじめ資金計画に織り込んでおくことが大切です。
物件探し前に確認したい費用チェックリスト
☐ 敷金は家賃の何ヶ月分か(ペット可は2ヶ月が目安)
☐ 敷金のうち、退去時に償却(返還されない)される割合はどれくらいか
☐ 消臭・消毒費用など、ペット特約による追加費用の有無
☐ 家賃保証会社の利用が必須かどうか、その場合の初回保証料
☐ 更新料の有無と金額(2年契約が多く、更新時にも費用が発生することがある)
☐ ペットの頭数・サイズが増えた場合の追加費用や条件変更の有無
知っておきたい用語集
敷金:退去時の原状回復費用等に充てるため、契約時に貸主へ預ける保証金。退去時に清算され、残額があれば返還される。
礼金:貸主に対するお礼として支払う費用。敷金と異なり、退去時に返還されない。
敷金償却:退去時のクリーニング費用等として、敷金の一部をあらかじめ差し引く契約上の取り決め。ペット可物件では償却割合が高めに設定されることがある。
反響賃料:ポータルサイト上で実際に問い合わせがあった物件の賃料。掲載賃料(売り出し価格)と異なり、実需に近い水準を示すとされる。
ペット相談可:ペット可より条件がゆるやかで、犬種・頭数等について個別に貸主・管理会社と相談したうえで可否が決まる物件。
東京23区・南埼玉エリアの家賃相場動向
当社の主な対象エリアである東京23区(城南エリア含む)や埼玉県南部エリアを含む首都圏の家賃相場についても、直近のデータを確認しておきましょう。
LIFULL HOME'Sのマーケットレポート(2025年8月版)によると、首都圏のシングル向き賃貸物件の平均掲載賃料は85,772円で、前年同月比108.6%と上昇が続いており、2021年2月の計測開始以降の過去最高賃料を更新しています(出典:株式会社LIFULL「LIFULL HOME'Sマーケットレポート」2025年8月版)。
東京23区の家賃相場が突出して上昇している一方、南埼玉エリアなどは都心と比べてベースの相場が抑えられている分、ペット可物件の家賃差があったとしても、トータルでの負担は都心部より軽くなる傾向があります。
都心中心部だけでなく、少しエリアを広げて環境の良い南埼玉や周辺エリアで探すことも、家賃を抑えつつ愛犬・愛猫とのびのび暮らすための有効な選択肢のひとつです。
なぜペット可物件は「早く決まる」のか、もう少し詳しく
掲載日数が短いという事実の背景には、単純な人気の高さだけでなく、飼い主さん側の「妥協せざるを得ない」という事情も関係していると考えられます。
前述のとおり、住まい探しで不便を感じた理由の1位は「物件数の少なさ」(34.4%)でした(出典:株式会社LIFULL「ペットとの住まい探しの実態調査」)。
選択肢が少ない中では、多少家賃が高くても、条件に合う物件が見つかった時点で契約を決断せざるを得ない、という状況が生まれやすくなります。
実際、ペットとの住まい探しにかかった期間についての調査では、15.8%が3ヶ月以上を要したと回答しており、通常の物件探しと比べて長期化しやすい傾向も示されています(出典:同調査)。
だからこそ、事前に相場観と初期費用を把握し、「良い物件に出会ったときにすぐ動ける」準備をしておくことが重要になります。
よくある質問(Q&A)
Q. ペット不可物件を交渉してペット可にしてもらうことはできますか?
A. 可能なケースもありますが、オーナー様の判断によるところが大きく、交渉には時間がかかることもあります。
当社では、こうした管理会社様やオーナー様への条件交渉のご相談も承っています。
Q. 小型犬なら家賃への影響は小さいですか?
A. 犬種やサイズによって条件が変わる物件もありますが、公開されている統計データの多くは犬種・頭数を区分せずに集計されているため、一概には言えません。
個別の物件ごとに条件を確認することをおすすめします。
まとめ|「高い」のは事実、だからこそ賢く探す
データで見る限り、ペット可物件の家賃・敷金が周辺相場より高くなる傾向は事実です。
しかしその一方で、供給不足という構造を理解し、エリア選定や非公開物件の活用といった工夫をすることで、負担を抑えながら理想の住まいに出会える可能性は十分にあります。
当社では、ペット可賃貸を専門に扱ってきた経験から、ご予算に合わせた物件探しをサポートしています。
まずはお気軽にご相談ください。
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ペット可物件専門だからこそ分かる、家賃相場と交渉の勘所を踏まえてご案内します。
