
【土地オーナー向け】ペット不可 vs ペット可、賃料収入・空室率を徹底シミュレーション
ペット不可のままか、可にするか。
10年間の収入差をシミュレーションしてみた
8戸アパートを想定し、家賃収入・空室率の違いを実際の数字で試算します
「ペット可にすると家賃は上がるらしいけど、実際どれくらい違うのか、具体的な数字で見てみたい」——そんな土地オーナー様の声にお応えして、今日は仮想の8戸アパートを例に、ペット不可のまま経営した場合と、ペット可に転換した場合の収入シミュレーションを行いました。前提条件を明示したうえで、できるだけ実態に即した試算をお見せします。
① シミュレーションの前提条件
今回のシミュレーションでは、以下の条件を設定しました。実在の物件を指すものではなく、当社が保有するデータをもとに構成した試算モデルです。
・所在地:埼玉県郊外エリアを想定
・building構成:単身向け1K、8戸のアパート
・ペット不可の場合の家賃:68,000円/月
・ペット可の場合の家賃:+15%の上乗せ(68,000円→78,200円、後述のデータレンジのうち保守的な数値を採用)
・平均入居期間:3年(1,095日)と仮定
・空室期間(1回の入居者入れ替わりあたり):ペット不可83.4日、ペット可66.8日(LIFULL HOME'S調べ)
家賃の上乗せ幅については、不動産専門メディアで紹介されている「条件が合えば5〜20%ほど上乗せできる」という範囲のうち、保守的な数値として15%を採用しました(出典:不動産の教科書「『ペット可物件』はどのぐらい家賃を高く取れる?」)。全国平均では30.6%という調査結果もあるため(出典:LIFULL HOME'S総合研究所、2025年5月公表)、今回の試算はあくまで控えめな設定であることをあらかじめお伝えしておきます。
② 家賃収入の差を計算する
1戸あたりの月額家賃
この時点で、1戸あたり月額10,200円、年間で122,400円の差が生まれます。8戸すべてに満室で適用された場合、年間979,200円の差になります。ただし、これは「空室がまったくない」という非現実的な前提での数字です。次の空室率も加味して、より実態に近い試算に進みます。
③ 空室率の差を計算する
株式会社LIFULLの調査では、ペット可物件の平均掲載日数は66.8日、ペット不可物件は83.4日とされています(出典:株式会社LIFULL「ペットとの住まい探しの実態調査」)。この掲載日数を「入居者入れ替わり時の空室期間」とみなし、平均入居期間3年(1,095日)と組み合わせて稼働率を計算すると、以下のようになります。
※稼働率=平均入居期間÷(平均入居期間+空室期間)として当社が試算した数値です。実際の稼働率は物件・エリアにより異なります。
④ 年間実収入シミュレーション結果
家賃差と稼働率差を掛け合わせると、1戸あたり・建物全体それぞれの年間実収入は以下のようになります。
| 項目 | ペット不可 | ペット可 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 1戸あたり年間実収入 | 758,248円 | 884,445円 | +126,197円 |
| 8戸・建物全体の年間実収入 | 6,065,988円 | 7,075,559円 | +1,009,571円 |
今回の保守的な前提条件でも、8戸の建物全体で年間約100万円の差が生まれるという結果になりました。全国平均とされる30.6%の上乗せ幅を採用した場合、この差はさらに大きくなります。
⑤ 5年・10年の累計収入比較
| 期間 | ペット不可(累計) | ペット可(累計) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 5年間 | 30,329,939円 | 35,377,793円 | +5,047,854円 |
| 10年間 | 60,659,878円 | 70,755,586円 | +10,095,708円 |
10年間で、その差はおよそ1,000万円。保守的な前提条件でこの規模の差が生まれるということは、実際の物件・エリアによってはさらに大きな差になる可能性もあります。
⑥ 初期投資と回収期間
ペット可への転換には、床材・壁材の変更などの初期投資が必要です。仮に1戸あたり80万円(8戸で640万円)の改修費用がかかると仮定し、今回試算した年間差額収入(約100万円)で割ると、回収期間は約6.3年という計算になります。
投資回収シミュレーション(当社試算)
なお、別の試算方法(年間家賃アップ額のみに着目した専門メディアの試算例)では、1戸あたり80万円の投資回収期間が約4年半とされているケースもあります(出典:収益JP「収益物件オーナーのための空室対策:ペット可リフォーム」)。試算方法・前提条件によって数字は変動するため、複数の視点で確認することをおすすめします。一般的なリノベーション投資の回収期間の目安は4年以内とされており(出典:RELO賃貸経営「アパートリノベーションで収益改善!」)、いずれの試算でもこの目安に近い、あるいは十分に許容範囲の回収期間に収まっています。
⑦ 見落としがちなコスト要因
ペット可物件では、退去時の原状回復費用に備えて敷金を2〜4ヶ月分に増額するケースが多く見られます。この増額分は入居者から預かる形になるため、オーナー様の実質負担は限定的ですが、入居のハードルにはなり得ます。
ペットによる傷・臭いは通常損耗を超える特別損耗として扱われ、原則入居者負担になりますが、契約書の特約設計が不十分だと、想定外の費用負担が発生するリスクもあります。
退去のたびに通常より入念なクリーニング・消臭作業が必要になることがあり、次の入居者募集までの準備期間に影響することがあります。
今回のシミュレーションでは、これらのコストは基本的に敷金・特約でカバーされる前提とし、直接的な収入差の計算には含めていません。実際の経営判断では、契約書の設計と管理体制の整備が、想定外のコスト発生を防ぐ鍵になります。
⑧ シミュレーションの限界と注意点
今回の試算は、あくまで公表されているデータをもとにした一般的なモデルケースです。実際の収支は、立地・築年数・競合物件の状況・管理体制など、多くの要因によって変動します。特に家賃上乗せ率は5〜20%、あるいは全国平均で30.6%という幅のあるデータであり、今回はあえて保守的な15%を採用しています。エリアによっては、この試算よりも大きな差が生まれる可能性も、逆に小さくなる可能性もあります。
本記事のシミュレーションは投資判断を保証するものではありません。実際の経営判断にあたっては、所有物件の個別条件を踏まえたシミュレーションを別途行うことをおすすめします。
⑨ 当社なら、企画から管理まで一貫対応できます
以前の記事でもお伝えしたとおり、当社は柴崎建設株式会社を母体とする不動産会社として、「企画・プランニング」「設計・建材提案」「入居者募集」「入居後の管理」までをワンストップでプロデュースできる体制を整えています。建築会社・仲介会社・管理会社をそれぞれ探して調整するオーナー様の負担を大きく減らせることが強みです。
今回ご紹介したような収支シミュレーションも、所有物件の立地・築年数・間取りといった個別条件に合わせて、より精緻な試算を作成することが可能です。「うちの物件だとどうなるのか知りたい」という段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
⑩ よくある質問
Q. このシミュレーションは、どんな物件にも当てはまりますか?
A. いいえ、あくまで一般的なモデルケースです。実際の数値は立地・築年数・競合状況によって大きく変動するため、個別の物件条件を踏まえたシミュレーションをおすすめします。
Q. 家賃を15%以上に設定することは可能ですか?
A. エリアや物件の希少性によっては、全国平均とされる30.6%に近い、あるいはそれ以上の上乗せが可能なケースもあります。エリアの供給状況を踏まえたご提案をいたします。
Q. 初期投資を抑える方法はありますか?
A. 全戸ではなく一部の住戸から始める、退去のタイミングに合わせて段階的に改修するといった方法もあります。予算に応じたプランをご提案します。
所有物件の個別シミュレーション、無料で承ります
立地・築年数・間取りなど、実際の条件を踏まえた収支シミュレーションを作成します。しつこい営業は行いません。まずはお気軽にご相談ください。
