
【実践編】賃貸でも今すぐできる防音対策、グッズ別dB削減効果を徹底比較
構造は変えられなくても、対策はできる。
賃貸でも今すぐ試せる防音グッズ、dB効果を徹底比較
内窓・防音カーテン・隙間テープ・防音マット、それぞれ何にどれだけ効くのか
以前の記事では、RC造と木造の壁・床の遮音性能をD値・L値という指標で科学的に比較しました。今日はその続編として、「今すでに住んでいる部屋で、今すぐできる対策」に焦点を当てます。内窓、防音カーテン、隙間テープ、防音マット——それぞれどれくらいの効果があり、鳴き声・足音のどちらに効くのか、具体的な数値とともに整理しました。
① 防音グッズ、dB削減効果の全体比較
まずは全体像をつかむために、代表的な防音グッズ・工法のdB削減効果を一覧化しました。
出典:窓一番「二重窓は防音・遮音効果なしって本当?」、ジャストカーテン「防音カーテンの選び方と効果」、サウンドプルーフ「実際に効果を測った防音隙間テープ」、pialiving.com各記事を基に構成
一見すると内窓の効果が圧倒的に見えますが、それぞれ得意な音・苦手な音、費用感が大きく異なります。以降、アイテムごとに詳しく見ていきましょう。
② 内窓(二重窓)——空気音に劇的効果、最大40dB減
既存の窓の内側にもう一枚窓を設置する「内窓(二重窓)」は、話し声や車の音といった空気音に対して、最大40dB軽減という劇的な効果を発揮するとされています。これは交通量の多い道路の騒音が、図書館程度の静けさにまで抑えられる計算です(出典:窓一番「二重窓は防音・遮音効果なしって本当?」、LIXIL・YKKap各社資料を基に構成)。
窓とサッシの間に空気層を作ることで、ガラス面の振動による音の伝達を軽減し、さらに内窓ガラスでも音を打ち消す仕組みです。ただし、重低音に対しては別途対策が必要になる場合がある点、また効果は騒音の周波数・窓のサイズ・サッシの気密性によって変わる点には注意が必要です(出典:サン・ウインド「内窓プラストで窓の防音対策」)。
内窓の設置は室内側の工事となるため、分譲マンションの管理規約でも比較的許可が得やすいリフォームとされています。賃貸物件の場合は、必ず大家様・管理会社に事前確認と許可が必要です。工事は短時間で完了するケースが多く、費用は窓のサイズによって変動しますが、2025年度には各種住宅省エネ関連の補助金制度が用意されており、条件を満たせば費用負担を抑えられる可能性もあります。
出典:e-MADOリフォーム「二重窓の防音費用はいくら?2026年補助金で賢くリフォームする完全ガイド」③ 防音カーテン——手軽だが重低音は苦手
防音カーテンは、一般的に20〜30dBの音を防ぐことができるとされ、車の騒音や隣室の話し声を大幅に減らすのに十分な性能を持っています(出典:ジャストカーテン「防音カーテンの選び方と効果」)。工事不要で導入できる手軽さが最大のメリットです。
ただし、防音カーテンは重低音には効果が限定的とされています。空気音に対しては威力を発揮する一方、床を伝わる足音のような固体伝播音への効果は期待しにくい点も理解しておく必要があります(出典:サン・ウインド「内窓プラストで窓の防音対策」)。犬の鳴き声のうち、高い声質の部分にはある程度効果がありますが、低く響く吠え声には限界があると考えられます。
④ 隙間テープ——数mmの隙間が音漏れの正体
「壁も窓もしっかりしているのに、なぜか音が漏れる」という場合、犯人はドアや窓のわずかな隙間であることが多くあります。音は隙間からでも漏れてしまう性質があり、たった数ミリの隙間の有無で、体感の遮音効果に約20dBもの差が生まれるとされています(出典:pialiving.com「防音 隙間テープの効果と選び方|たった数mmで20dB差?」)。
| アイテム | 特徴 | 向いている隙間 |
|---|---|---|
| フェルトテープ | 簡易的な吸音材としても使える。100円ショップでも入手可能 | 数ミリ程度の細い隙間 |
| 隙間テープ | クッション性があり、ドアの開閉音対策や防塵にも効果的 | 大きめでクッション性が必要な隙間 |
| エプトシーラー | EPDMゴム発泡体製。防音性・防水性・耐候性に優れる高性能タイプ | より高い遮音効果が求められる場所 |
出典:pialiving.com「防音 隙間テープの効果と選び方」
ドアの下部や窓のサッシ周りなど、見落としがちな数ミリの隙間を一つずつ塞ぐだけでも、体感的な静けさは大きく変わります。費用も数百円〜数千円程度からと、最も始めやすい対策のひとつです。
⑤ 防音マット——「吸音」と「制振」を使い分ける
床の防音対策としてまず思い浮かぶのが防音マットですが、実は目的によって選ぶべき種類が異なります。専門メディアの解説では、床の防音対策の原因は大きく2つに分けられるとしています(出典:pialiving.com「吸音マットと防音シートの違い」)。
音の反射を遮る必要があるため、遮音性の高い硬めのゴム素材のマットが向いています。カーペットやラグの下に重ねて使うのが基本です。
まず振動の力そのものを弱める必要があるため、厚みのあるやわらかい素材のカーペットや、制振性の高いマットとの併用が推奨されます。ジョイントマット単体では効果が限定的な場合もあります。
選び方のポイントとして、床面積の7割以上を覆うこと、壁際や家具との隙間を防音テープ等で埋めること、「遮音」と「吸音」の異なる素材をサンドイッチのように重ねることが、効果を最大化するコツとして紹介されています(出典:sonorize.jp「防音マットの失敗しない選び方と効果を徹底解説」)。賃貸物件では、原状回復のしやすい「置き敷きタイプ」を選ぶことも重要です。
⑥ 鳴き声対策と足音対策、それぞれの組み合わせ方
ペットとの暮らしにおいては、「鳴き声(空気音)」と「足音・ジャンプ音(衝撃音)」への対策を分けて考えることが重要です。
| 気になる音 | 優先したい対策 |
|---|---|
| 犬の鳴き声 | 内窓(窓からの音漏れ対策)+隙間テープ(ドア周り) |
| 足音・ジャンプ音 | 制振性の高い防音マット(厚み10mm以上目安)+カーペット併用 |
| 爪とぎ・引っかき音 | 硬めの防音マット・保護シートで振動そのものを軽減 |
| 共用部からの音の侵入 | 玄関ドア周りの隙間テープ、必要に応じて内窓 |
1つのアイテムだけで完璧な防音を実現するのは難しいため、複数の対策を組み合わせる「重ね技」が現実的なアプローチです。まずは費用の少ない隙間テープや防音マットから着手し、それでも気になる場合に内窓の設置を検討する、という段階的な進め方をおすすめします。
⑦ 自分で音を測ってみる——騒音計アプリの活用
対策の効果を客観的に把握するには、実際に音量を測定してみるのも有効です。近年はスマートフォンにインストールできる無料の騒音計アプリが多数登場しており、正式な測定器と比べると精度に限界はあるものの、対策前後の相対的な変化を確認する目的では十分に活用できます。「対策前は60dB台だったのが、対策後は40dB台まで下がった」といった記録を残しておくと、効果を実感しやすくなります。
⑧ よくある質問
Q. 賃貸で一番コストパフォーマンスが良い対策は何ですか?
A. 隙間テープと防音マットの組み合わせは、数千円程度から始められ、原状回復も容易なため、最初の一歩としておすすめです。効果を感じられたら、内窓のような本格的な対策を検討するとよいでしょう。
Q. 防音カーテンだけで犬の鳴き声は防げますか?
A. 高めの声質にはある程度効果がありますが、低く大きな吠え声には限界があります。隙間テープや防音マットと組み合わせることをおすすめします。
Q. 内窓の設置には大家様の許可が必要ですか?
A. はい、賃貸物件では必ず事前の許可が必要です。当社を通じてご契約いただいた物件については、リフォームのご相談も承っています。
防音性の高い物件選びから、リフォームのご相談まで
当社は建設会社を母体に持つため、内窓の設置や防音建材への張り替えなど、実際の施工に関するご相談も承れます。構造そのものが優れた物件のご紹介もあわせて対応しています。しつこい営業は行いません。
