※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の保険商品への加入を推奨するものではありません。保険の加入・選択に際しては、各保険会社の約款・パンフレットを必ずご確認のうえ、ご自身の判断でお手続きください。

賃貸でペットを飼い始めるとき、住居費・ペットフード・日用品などの費用は事前に計算する方が多いですが、医療費の備えを見落としがちです。ペットには人間のような公的医療保険制度がなく、治療費はすべて飼い主の全額自己負担となります。ペット保険とはどんな仕組みなのか、どう選べばよいのか——基礎知識を整理しておきましょう。

① ペット保険の加入率と市場の現状

まず日本のペット保険の現状をデータで把握しておきましょう。

21.4%
日本のペット保険加入率(2024年・犬猫合計)
23.6%
犬の保険加入率(約4頭に1頭)
約3倍
2014年(約6〜8%)から
2024年(約21%)への加入率の伸び
日本のペット保険加入率(2024年)

アイペット損保の調査によると、日本のペット保険加入率は21.4%(2024年時点)です。富士経済「2025年ペット関連市場マーケティング総覧」のペット保険保有契約数340万8,100件と、ペットフード協会「令和6年全国犬猫飼育実態調査」の飼育頭数1,595万1,000頭をもとに算出されています。犬の加入率は約23.61%(約4頭に1頭)とされています。

出典:アイペット損保「ペット保険の加入率は?今すぐ知りたい最新事情」(2025年更新)/ ペットメディカルサポート株式会社(2025年8月時点)/ 富士経済「2025年ペット関連市場マーケティング総覧」
加入率上昇の背景と海外比較

2014年に約6〜8%だったペット保険加入率は2024年には約21%まで上昇し、10年間で3倍近くの伸びを示しています。背景には「動物医療の高度化による治療費の増加」「ペットを家族の一員として捉える意識の広がり」が挙げられています。一方、海外(欧米など)では30〜50%程度とされており、日本の加入率はまだ伸びる余地があると見られています。

出典:ペット&ファミリー損保「ペット保険の加入率とは?国内・海外の動向を解説」(2024年)/ 株式会社TTマネジメント「ペット保険の加入率は?今すぐ知りたい最新事情」(2025年8月)
加入後の保険金請求の実態(アイペット損保 2024年)

アイペット損保のデータによると、新規加入した方が1年以内に保険金を請求する割合は約60%とされています。これはペットが動物病院を受診する機会が1年以内に相当数あることを示しています。

出典:アイペット損保(2024年1月〜12月 保険金請求データより算出)

② 犬・猫の年間医療費の目安

ペット保険を考えるうえで、実際の医療費の目安を知っておくことは重要です。以下はあくまで平均的な参考値であり、個体差・受診する病院・治療内容によって大きく変わります。

年間平均治療費の目安(アニコム損保データ・2023〜2024年度)
犬の年間平均治療費 約137,344円(約14万円)
猫の年間平均治療費 約93,766円(約9万円)

出典:価格.com「ペット保険 人気ランキング・比較」(2026年6月更新)掲載データ(アニコム損保 2023年4月〜2024年3月 通院・入院・手術含む診療費集計)
※ 個体差・犬種・年齢・受診病院により大きく異なります。あくまで参考値としてご覧ください。

犬の生涯医療費の目安(価格.com 2026年6月)

価格.comが掲載するアニコム損保のデータによると、犬の生涯で必要な治療費の相場は平均約165万円(1,652,436円)とされています。ペットには人間のような公的医療保険制度がないため、保険に加入していない場合はこれらの費用がすべて飼い主の自己負担となります。また年齢が上がるにつれて治療費が高くなる傾向があります。

出典:価格.com「ペット保険 人気ランキング・比較」(2026年6月5日更新)
治療費が高額になりやすい理由(オカネコマガジン 2025年12月)

ペットの治療費が高くなりやすい主な理由として、①公的医療保険制度がなく治療費が全額自己負担であること、②動物病院が自由に料金を設定できる自由診療であるため通院する病院によって費用が大きく異なること、が挙げられています。CTやMRIなどの検査・外科手術など、医療の高度化により人間の医療に近いレベルの治療がペットにも行えるようになった一方で、その分費用もかかるようになっています。

出典:オカネコマガジン「ペット(犬・猫)の医療費の平均は?」(2025年12月)

賃貸生活との関係:賃貸でペットを飼う場合、家賃・敷金・ペット月額使用料に加えて医療費の備えも予算計画に含めておくことが、長期的に安心してペットと暮らすための準備になります。

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③ ペット保険の基本的な仕組み

ペット保険がどのような仕組みかを理解したうえで、自分に合ったものを選ぶことが大切です。以下は一般的な概要です。保険商品ごとに内容が異なるため、詳細は各社の約款でご確認ください。

項目一般的な内容補足
補償対象病気・ケガによる動物病院の診療費商品によって対象範囲が異なる
補償割合50%・70%・90%などの設定が多い補償割合が高いほど保険料も高い傾向
支払い方式窓口精算型・後払い型(申請して振込)窓口精算型は対応病院が限定される場合も
年間限度額商品によって異なる(無制限〜上限あり)回数制限・1日限度額の設定がある場合も
待機期間加入から一定期間は補償されない場合がある病気の待機期間は一般的に30日程度
加入できる年齢概ね0〜10歳前後が多い商品・ペットの種類によって異なる
保険料の目安月2,000〜5,000円程度が多い年齢・補償内容・犬種・猫種により変動

確認のポイント:上記はあくまで一般的な傾向です。保険を選ぶ際は必ず各社の約款・パンフレットで補償内容・免責事項・更新条件を確認してください。わからないことは各保険会社のカスタマーサービスに直接お問い合わせいただくのが確実です。

④ 保険を選ぶ際に確認したい5つのポイント

多くのペット保険商品の中から選ぶ際に確認しておきたいポイントを整理しました。特定の商品を推奨するものではありません。

1

補償割合と年間限度額

診療費の何%が補償されるか(50%・70%・90%など)と、年間の限度額は商品ごとに大きく異なります。補償割合が高いほど月々の保険料も上がる傾向があるため、自分の予算と希望のバランスを確認しましょう。

2

かかりつけ病院が対応しているか

窓口精算型(病院で直接清算できる)か後払い型(いったん全額払い後に申請・振込)かによって、利便性が変わります。かかりつけの動物病院が対応しているかを事前に確認することをお勧めします。

3

更新時の条件

ペット保険は一般的に1年ごとの更新制です。更新時に保険料が変わる場合・更新できなくなる条件がある場合があります。長く使い続けることを前提に、更新条件を確認しておきましょう。

4

免責事項(補償されない項目)

歯科治療・予防接種・健康診断・去勢・避妊手術など、補償対象外となる項目が商品によって異なります。約款の「免責事項」を必ず確認してください。

5

ペットの年齢・犬種・猫種との適合性

加入できる年齢の上限は商品によって異なります。早い段階で検討しておくことで選択肢が広がります。犬種・猫種ごとの特性については獣医師にご相談ください。

⑤ 賃貸生活でのトータルコストの考え方

ペットと賃貸で暮らす際の月々の費用を全体像として把握しておきましょう。これはあくまで参考の目安です。

費用項目月額目安(参考)備考
家賃(ペット可物件・1LDK)8〜15万円エリア・築年数・設備により大きく変動
ペット月額使用料0〜5,000円物件により設定が異なる
ペットフード・日用品5,000〜15,000円犬・猫の種類・サイズにより異なる
動物病院(通常通院)0〜15,000円程度年間平均から月割りした目安(個体差大)
ペット保険料2,000〜5,000円程度補償内容・年齢・犬猫種により異なる
トリミング(必要な犬種)0〜10,000円程度犬種により頻度が異なる

費用全体の考え方:ペット保険の月々の保険料は2,000〜5,000円程度が多いとされています。犬の年間平均治療費(約14万円・月換算で約11,000円)を参考に、予想外の出費への備えとしてご自身の家計状況・ペットの健康状態を踏まえてご検討ください。

ペット保険加入率が上昇している背景(価格.com 2026年6月)

日本のペット保険加入率は21.4%で、15歳未満の子どもの保険加入率と比較するとまだ低い水準にあります。しかし動物医療の高度化に伴い治療費が増加傾向にある中、「もしものとき、治療費を理由に諦めたくない」という飼い主の意識から加入率は年々上昇しています。

出典:価格.com「ペット保険 人気ランキング・比較」(2026年6月更新)
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⑥ よくある質問(Q&A)

ペット保険に関するよくある質問
Q
ペット保険の加入率はどのくらいですか?
A
2024年時点の日本のペット保険加入率は約21.4%です(アイペット損保・富士経済データより)。犬に限ると約23.6%(約4頭に1頭)とされています。10年前(2014年)の約6〜8%から3倍近くに伸びており、年々加入率が上昇しています。海外(欧米)では30〜50%程度とされており、日本はまだ低い水準にあります。
Q
犬・猫の年間医療費はどのくらいかかりますか?
A
アニコム損保の2023〜2024年度データによると、犬の年間平均治療費は約137,344円(約14万円)、猫は約93,766円(約9万円)とされています。ただしこれはあくまで平均値であり、ペットの種類・年齢・受診する病院・治療内容によって大きく異なります。年齢が上がるにつれて治療費が高くなる傾向があります。
Q
ペット保険に加入するタイミングはいつが良いですか?
A
一般的に、ペットを迎えた早い段階で検討することで選択肢の幅が広いとされています。多くの商品には加入できる年齢の上限が設定されており、また加入から補償が開始されるまでに待機期間が設けられている場合があります。具体的なタイミングについては各保険会社にご確認ください。
Q
ペット保険に入らない場合、どう備えればいいですか?
A
ペット保険への加入は任意であり、自己資金で備える方もいます。「ペットの医療費積立」として月々一定額を別口座に積み立てておくことが一つの方法です。犬の年間平均治療費が約14万円であることを参考に、月1〜2万円程度の積立を検討する方もいます。いずれの方法もご自身の家計状況を踏まえてご判断ください。
Q
ペット保険の月々の保険料はどのくらいですか?
A
一般的に月2,000〜5,000円程度の商品が多いとされています。補償割合・年間限度額・ペットの年齢・犬種・猫種によって大きく異なります。補償割合が高い商品は保険料も高くなる傾向があります。各社の公式サイトで見積もりを取ることをお勧めします。

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⑦ まとめ

この記事のポイント

  • 日本のペット保険加入率は約21.4%(2024年)。10年間で3倍近くに拡大(アイペット損保・富士経済データ)
  • 犬の年間平均治療費は約14万円、猫は約9万円。年齢が上がるほど高くなる傾向(アニコム損保 2023〜2024年度)
  • 犬の生涯医療費の目安は平均約165万円。ペットには公的医療保険がなく全額自己負担(価格.com 2026年6月)
  • アイペット損保の新規加入者では1年以内に約60%が保険金を請求(2024年データ)
  • 保険を選ぶ際は「補償割合・限度額・かかりつけ病院の対応・更新条件・免責事項」を確認する
  • 賃貸でのトータルコスト(家賃+ペット費用+医療費の備え)を事前に把握しておくことが大切
  • 本記事は情報提供が目的です。保険の加入・選択はご自身の判断で各社約款をご確認のうえお手続きください

ペットと賃貸で暮らす生活には、住居費だけでなく医療費の備えも含めたトータルの資金計画が大切です。ペット保険はその備えの選択肢のひとつです。加入するかどうかはご自身の家計状況・ペットの状態を踏まえてご判断ください。

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代表

柴崎 孝行(ペッターズ不動産 代表)

不動産業界歴20年超。ペット可住宅専門店として東京・埼玉エリアで500件以上の入居サポート実績。物件探しと並行して、ペットとの生活全体の資金計画についてもご相談に対応。

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