「ペット可の物件を探しているのに、猫はNGと言われた」——こんな経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。実は日本では犬より猫の飼育頭数が多いにもかかわらず、賃貸市場では猫の方が圧倒的に「入居困難」という逆転現象が起きています。

なぜ猫は賃貸で嫌われるのか。大家さんが本当に心配していることは何なのか。そして猫と一緒に賃貸で暮らすために今すぐできることは何か。不動産歴20年超の専門家が最新データをもとに徹底解説します。

① 猫の飼育頭数は犬を上回っているのに、なぜ賃貸で不利なのか

まず最新の数字で現状を把握しましょう。猫と賃貸を取り巻く「矛盾した現実」が見えてきます。

915.5万頭
猫の飼育頭数(2024年)
679.6万頭
犬の飼育頭数(2024年)
猫より約236万頭少ない
38.4%
ペット飼育者のうち
猫を飼っている割合
猫の飼育頭数が犬を上回っている(最新データ 2024年)

日本ペットフード協会の「2024年全国犬猫飼育実態調査」(2024年12月発表)によると、猫の飼育頭数は915.5万頭で、犬の679.6万頭を大きく上回っています。2013年は犬が871.4万頭・猫が840.9万頭と犬の方が多かったのに対し、その後逆転。猫の飼育頭数は10年前と比べて約109%に増加しています。

出典:日本ペットフード協会「2024年全国犬猫飼育実態調査」(2024年12月20日発表)
猫は「犬より審査が厳しい」傾向が明確(賃貸スタイル 2025年10月)

賃貸スタイルの調査・分析によると、ペット可物件の審査難易度は一般的に「小型犬より猫の方が厳しい」傾向があります。「ペット可」と記載された物件でも「犬はOK・猫はNG」「小型犬1頭まで・猫不可」という条件を設けている物件が多く存在します。

出典:賃貸スタイル「ペット可賃貸 犬と猫で審査の通りやすさは違う?」(2025年10月更新)

つまり日本では「猫を飼いたい人は多いのに、猫を飼える賃貸物件は少ない」という大きな需給ギャップが生じています。この状況を生み出している根本的な原因が、次のセクションで解説する「大家さんの懸念」です。

専門家の視点:「猫を飼っているお客様の物件探しの難しさは、犬とは次元が違います。10件問い合わせて断られ続けるということも珍しくありません。猫飼育者の方の苦労は特に深刻です」(ペッターズ不動産 代表・柴崎孝行)

② 大家さんが猫NGにする5つの本当の理由

「なんとなく猫は嫌い」ではなく、大家さんには明確な懸念があります。一つひとつ理解することが、解決策への第一歩です。

1

爪とぎによる壁・柱・フローリングへのダメージ

猫は本能的に爪とぎをする習性があります。適切な爪とぎグッズを用意しても、壁紙・柱・フローリングへの傷が生じることがあります。大家さんにとって退去後の修繕費が高額になるリスクが最大の懸念点です。インカムクラブの分析でも「猫の爪とぎ跡の修理に費用がかさむ」ことが大家さんが猫NGにする主な理由として挙げられています。

2

臭いの染み込み(特にトイレ・マーキング)

猫の排泄物の臭いは壁・床・天井に染み込みやすく、特に去勢・避妊手術をしていない猫のマーキング(スプレー行為)による臭いは非常に強く、退去後の脱臭処理に高額な費用がかかります。大家さんが「猫より犬の方がまし」と感じる最大の要因です。

3

脱走・行方不明のリスク

猫は犬と異なり、玄関・窓・ベランダからの脱走リスクが高い動物です。脱走後に建物内を傷つける・近隣に迷惑をかける・野良猫化するなどのリスクを大家さんや管理会社が懸念するケースがあります。SUUMO(LIFULL HOME'S)の解説でも「脱走名人」という表現で猫の習性への理解不足が問題視されています。

4

アレルギーを持つ隣人への影響

猫アレルギーは犬アレルギーより発症しやすい傾向があります。廊下・エレベーターなどの共用部に猫のフケ・毛が漂うことで、猫アレルギーを持つ他の入居者とのトラブルになるリスクを管理会社が懸念します。

5

「猫は懐かない=しつけできない」という誤解

ニッセイ基礎研究所のアナリストの分析によると、猫が賃貸で嫌われる大きな理由のひとつに「猫の習性や飼育方法への誤解」があります。「猫は言うことを聞かない」「しつけができない」という先入観が、大家さんの判断に影響しているケースが少なくありません。

大家さんの本音(インカムクラブ・ニッセイ基礎研究所アナリスト見解)

大家さんが猫をOKにすることに前向きでない理由として「臭いによる近所からの苦情と、退去時の爪とぎ跡の修理に費用がかさむ」ことが挙げられています。また「犬はOKでも猫はダメという大家さんに理由を聞くと、猫の習性や飼育への誤解が多い」という専門家の分析もあります。

出典:インカムクラブ「猫や大型犬もOKにするべきか、大家の決断」/ SUUMO「大家さんの大いなる誤解、猫が賃貸で嫌われる理由とは」(ニッセイ基礎研究所アナリスト執筆)

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③ 「猫は犬より臭い」は本当か?大家さんの誤解を解く

大家さんの懸念の中には「事実」もありますが「誤解」も少なくありません。正確な知識を持つことが、交渉を有利に進める武器になります。

よくある誤解
猫は犬より排泄物の臭いがきつく、室内が臭くなる
実際のところ
去勢・避妊手術済みの猫は臭いが大幅に軽減される。室内飼育+定期的なトイレ清掃で臭いは十分コントロール可能
よくある誤解
猫は鳴き声がうるさく近隣トラブルになる
実際のところ
猫の鳴き声は犬と比べて小さく、騒音トラブルになるケースは少ない。発情期の鳴き声も去勢・避妊手術で解消される
よくある誤解
猫はしつけができないので壁や柱を必ず傷つける
実際のところ
専用の爪とぎグッズを複数設置し、爪切りを定期的に行えば壁・柱への傷は大幅に防止できる。爪とぎ防止シートの貼り付けも有効
よくある誤解
猫は散歩不要だから楽だが、その分部屋の中を荒らす
実際のところ
散歩不要は「外への影響がない」という利点でもある。キャットタワーや遊び場を用意することで室内での運動欲求を満たし、問題行動を予防できる
猫の習性への理解が普及すれば状況は変わる(SUUMO掲載・専門家見解)

ニッセイ基礎研究所のアナリストは「猫には猫の習性や飼育方法があり、それらを理解して適切に対応すれば、人と猫がともに幸せに暮らせる住まいがもっとたくさんつくれるはず」と指摘しています。大家さんの誤解を解くための情報提供が、猫可物件普及の鍵とされています。

出典:SUUMO Journal「大家さんの大いなる誤解、猫が賃貸で嫌われる理由とは」(ニッセイ基礎研究所 アナリスト執筆)

つまり「去勢・避妊手術済み」「爪切り定期実施」「専用爪とぎグッズ設置」——この3点を適切に対応している飼い主の猫であれば、大家さんの懸念の多くは実は解消可能です。これを入居前に「証明」できるかどうかが審査の分かれ目になります。

④ 猫可物件の探し方:見落としがちな4つの方法

「SUUMO・HOMESで猫可を検索しても出てこない」という方のために、一般的な方法では見つからない猫可物件にアクセスする方法をご紹介します。

1

「猫可」「猫相談可」で絞り込む(ポータルサイトの活用)

「ペット可」で絞り込んでも猫NGの物件が多数含まれています。LIFULL HOME'S・SUUMOでは「猫可」「猫相談可」という絞り込み条件が別途設定できる場合があります。「ペット可」だけで絞り込まず、詳細条件で「猫」を指定することが重要です。

2

「ペット相談可」物件へのアプローチ

「ペット相談可」物件は個別交渉が前提のため、猫飼育の許可が得られる可能性があります。去勢証明・爪とぎ対策・敷金上乗せ提案などを誠意を持って伝えることで、許可を得た実績が多数あります。「猫不可」と明記されていない物件には積極的にアプローチしましょう。

3

一戸建て賃貸を選択肢に入れる

集合住宅(マンション・アパート)は共用部のアレルギー問題・騒音問題があるため猫NGになりやすいですが、一戸建て賃貸は隣人への影響が少ないため猫の飼育を認めてもらいやすい傾向があります。特に埼玉エリアの一戸建て賃貸は猫可・多頭飼い可の物件が見つかりやすいです。

4

猫可専門の不動産会社・ペット可専門店を利用する

一般的な不動産会社では「ペット可物件を扱っているが猫可かどうかの詳細は把握していない」ケースが多いです。ペット可住宅専門店であれば、オーナーとの日常的な信頼関係を活かした「猫飼育の直接交渉」が可能です。一般サイト未掲載の猫可物件へのアクセスも広がります。

ペット可物件の探しにくさ(いえらぶGROUP調査 2025年)

いえらぶGROUPの調査では、ペット可物件を探す際に「希望するエリアでペット可物件が見つからなかった」「ペット可物件の情報が少なく、探しにくかった」と回答した人がそれぞれ19.5%いました。ペット可物件の取り扱い自体はあるものの、エンドユーザーが求める情報の質・量には達しておらず、物件探しが困難になっているとされています。

出典:いえらぶGROUP「住まい探しにおけるペット可物件に関するアンケート調査」(2025年)

エリア選びのヒント:東京23区での猫可物件探しは非常に困難ですが、東京北部・埼玉エリアに視野を広げると選択肢が大幅に増えます。越谷市・さいたま市・川口市では同予算でより広い一戸建て賃貸・猫可マンションが見つかりやすく、ペッターズ不動産での猫飼育者のご成約事例も多数あります。

「猫を飼っていて物件が見つからない」という方へ

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⑤ 猫オーナーが審査を通過するための6つの対策

猫可物件を見つけたら、次は審査を通過することが重要です。以下の6つの対策を事前に準備しておくことで、審査通過率が大幅に上がります。

1

去勢・避妊手術証明書を用意する

大家さんが最も懸念するマーキング・強い臭い・鳴き声の問題は、去勢・避妊手術で大幅に解消されます。手術証明書(動物病院発行)を入居申込書と一緒に提出することで、大家さんの不安を直接払拭できます。

2

ワクチン接種証明書と健康診断書を準備する

定期的なワクチン接種は猫の感染症予防だけでなく「責任ある飼い主」の証明になります。健康診断書とともに提出することで、大家さんへの信頼感が高まります。

3

爪とぎ対策を具体的に説明する

「爪とぎグッズを複数設置します」「爪とぎ防止シートを壁に貼ります」「定期的な爪切りを実施しています」など、具体的な対策を書面で提示することが効果的です。言葉で説明するだけでなく、写真(自宅での爪とぎグッズの設置状況など)を見せると説得力が増します。

4

脱走防止対策を具体的に申告する

「玄関に脱走防止柵を設置します」「窓・ベランダには転落防止ネットを設置します」など、脱走対策を具体的に提示することで大家さんの懸念を先取りして解消できます。

5

敷金の上乗せを自分から提案する

「退去時に万が一損傷があった場合のために、敷金を1ヶ月分追加でお支払いします」という提案は、大家さんの経済的不安を直接解消します。猫オーナーの審査においては特に有効な交渉手段のひとつです。

6

猫のプロフィール資料を作成する

猫の名前・年齢・品種・体重・去勢の有無・ワクチン接種状況・普段の様子(おとなしい・人慣れしているなど)をまとめた「猫のプロフィール」を作成し、申込書と一緒に提出しましょう。可能であれば写真も添付すると「この猫は安心できる」という印象を与えられます。

ペッターズ不動産のサポート:上記の書類準備・猫プロフィールの作成サポートから、オーナー様への直接交渉まで、猫飼育者の審査通過を全面的にサポートしています。「過去に何度も断られた」という方も、ぜひ一度ご相談ください。

⑥ 猫と快適に暮らせる部屋選びのポイント

猫可物件を見つけ、審査を通過した後も重要なのが「猫にとって暮らしやすい部屋かどうか」の確認です。

確認項目猫にとっての重要性内見時のチェック方法
縦空間(天井の高さ)最重要天井高2.4m以上か確認。キャットタワー設置スペースがあるか
日当たり・窓辺重要南向きの窓辺で外を眺められるスペースがあるか
床材の滑りにくさ重要フローリングの滑り止め対策ができるか(コルクマット等)
脱走防止のしやすさ最重要玄関の構造・窓の形状・ベランダの柵の高さを確認
トイレスペース重要大型トイレが置ける洗面所・廊下スペースがあるか
壁の素材確認推奨爪とぎ防止シートが貼れるか・消臭クロスかどうか
近隣の動物病院重要徒歩15分以内に動物病院があるか(救急対応の有無も)

猫の習性から考える「必須条件」:猫にとって最も重要なのは「縦空間」と「安心できる隠れ場所」です。キャットタワーを置けるスペースと、棚・押入れなど猫が身を潜められる場所が確保できる間取りを選ぶことで、猫のストレスが大幅に軽減されます。猫は床面積より縦の空間を好む動物であることを覚えておきましょう。

ペッターズ不動産 独自情報

サイトに掲載しているのは約1,000件のみ
実は3,000件以上の未掲載物件があります

サイト掲載物件数 約1,000件
未掲載の取扱物件数 3,000件以上

当社が扱うペット可物件は、サイトに掲載しているのはそのごく一部です。物件情報の入力作業は手作業で行っているため、すべての物件を掲載することができない状況です。

サイトを見て「条件に合う物件がない」と諦めないでください。

お問い合わせいただければ、猫の頭数・種類・家賃・エリア・間取りなど細かい条件に合わせて、未掲載の3,000件以上の中からご提案することができます。

⑦ よくある質問(Q&A)

猫と賃貸暮らしに関するよくある質問
Q
猫の飼育頭数は犬より多いのに、なぜ賃貸では猫の方が入居困難なのですか?
A
日本ペットフード協会の2024年調査では猫の飼育頭数は915.5万頭で犬(679.6万頭)を大きく上回っています。しかし賃貸市場では爪とぎによる建物へのダメージ・臭いの染み込み・脱走リスクへの懸念から大家さんが猫NGにするケースが多く、「小型犬はOKでも猫はNG」という物件が多数存在します。需要と供給の大きなギャップが猫飼育者の物件探しを困難にしています。
Q
去勢・避妊手術をした猫でも猫NGの物件は多いですか?
A
大家さんの懸念(臭い・鳴き声)の多くは去勢・避妊手術で解消されるため、手術済みの猫であることを証明できれば交渉が有利になります。ただし「猫禁止」と明記された物件では、手術の有無にかかわらず交渉自体が難しいケースもあります。「猫相談可」「ペット相談可」物件での交渉と、専門店を通じたオーナー直接交渉が有効です。
Q
猫を2匹以上(多頭飼い)で賃貸に入居できますか?
A
猫の多頭飼いは賃貸では非常に難しく、「猫1匹のみ可」という条件の物件がほとんどです。2匹以上の場合は一戸建て賃貸・ペット共生型物件・または専門店によるオーナー直接交渉が現実的な選択肢です。ペッターズ不動産では猫の多頭飼いでの入居実績もあります。
Q
猫の退去費用はどのくらいかかりますか?
A
猫の爪とぎ・臭いによる損傷がある場合は通常のクリーニング費用(3〜6万円)に加えて、爪傷の補修・壁紙張り替え・脱臭処理などで10〜50万円以上かかるケースもあります。ただし爪とぎ対策を適切に行っていれば通常の費用範囲内で収まることも多いです。入居前に退去時費用の根拠を契約書で確認することを強く推奨します。
Q
猫可物件は東京より埼玉の方が見つかりやすいですか?
A
はい、一般的に埼玉エリア(越谷市・さいたま市・川口市など)の方が猫可・猫相談可物件を見つけやすい傾向があります。特に一戸建て賃貸は集合住宅より猫の飼育許可を得やすく、同じ予算で東京より広い部屋を選べます。ペッターズ不動産では東京・埼玉両エリアで猫飼育者向けの物件をご提案できます。

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⑧ まとめ

この記事のポイント

  • 猫の飼育頭数は915.5万頭で犬(679.6万頭)を上回っているが、賃貸市場では猫の方が入居困難(日本ペットフード協会 2024年調査)
  • 大家さんが猫NGにする主な理由は「爪とぎダメージ」「臭いの染み込み」「脱走リスク」「アレルギー問題」「猫への誤解」
  • 「猫は臭い・しつけできない」という誤解が多い。去勢手術済み・爪とぎ対策済みの猫なら大家さんの懸念の多くは解消できる
  • 猫可物件の探し方:「猫相談可」物件へのアプローチ・一戸建て賃貸・専門店経由の直接交渉が有効
  • 審査通過のカギ:去勢証明書・ワクチン証明書・爪とぎ対策の説明・脱走防止対策の申告・猫プロフィール資料の提出
  • 猫に必要な住環境:縦空間(キャットタワー設置スペース)・日当たりの良い窓辺・脱走防止のしやすい構造
  • 埼玉エリアは東京より猫可物件が見つかりやすく、同予算でより広い物件を選べる
  • ペッターズ不動産では猫可物件の直接交渉・審査サポート・未掲載3,000件以上からのご提案が可能

猫の飼育頭数が犬を大きく上回っているにもかかわらず、猫飼育者が賃貸で苦労し続けている現実は、社会的に見ても理不尽です。しかし現状では「どう対処するか」を知ることが最も現実的な解決策です。

去勢手術・爪とぎ対策・丁寧な書類準備——これらを整えたうえで、専門店のネットワークを活用することで、猫と一緒に快適に暮らせる住まいを見つける可能性は格段に高まります。「どこに相談すればいいかわからない」という段階でも、ペッターズ不動産にお気軽にご連絡ください。

代表

柴崎 孝行(ペッターズ不動産 代表)

不動産業界歴20年超。猫飼育者の物件探し・オーナー交渉の実績多数。猫可物件の直接交渉・審査書類のサポートまで、猫飼育者に寄り添った対応を続けている。

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営業時間:10:00〜19:00 / 定休日:水曜日 / TEL:050-3554-4126