「ペット可物件に住んでいるのに、隣から鳴き声のクレームが来た」「足音がうるさいと言われた」——こうしたトラブルは、建物の構造に深く関係しています。木造・鉄骨造・RC造(鉄筋コンクリート造)では、音の伝わり方が根本的に異なり、住んでいる人が感じる体感差も大きいのです。

この記事では、各構造の防音性の違いをリアルに解説し、ペット可物件で起きやすいクレームの原因と、構造ごとにできる具体的な対策をまとめました。今の住まいで悩んでいる方も、これから物件を探す方も、ぜひ参考にしてください。

① そもそも「音の伝わり方」はどう違う?基礎知識

防音性を理解するには、まず「音がどのように伝わるか」を知る必要があります。騒音には大きく2種類あります。

空気音と固体音(構造音)の違い

空気音とは、声・テレビ・犬の鳴き声などが空気を振動させて伝わる音です。壁・窓・ドアの隙間を通り抜けるため、壁・床の密度と厚さが重要になります。一方、固体音(構造音)とは、足音・走り回る音・洗濯機の振動など、床や壁に直接振動として伝わる音です。固体音はコンクリートなど密度の高い素材でも伝わりやすく、RC造でも「響く」と感じるケースがあります。ペットの鳴き声は空気音、走り回る足音は固体音に分類されます。

出典:SUUMO「鉄骨造(S造)の防音性は高い?鉄筋(RC造)や木造(W造)との比較や防音対策を紹介」(2025年10月24日更新)/ pialiving.com「賃貸 防音 構造の基礎」(2025年12月)
構造別の遮音性能目安

一般的な防音の指標として、木造の遮音性能は約20〜25dB、鉄骨造(軽量)は約20〜25dB、重量鉄骨造は約25〜35dB、RC造は約40〜50dB程度とされています。人間の聴覚では10dBの差が「音が半分になった」と感じる目安とされており、木造とRC造の差(約20〜25dB)は体感上、非常に大きな差になります。

出典:pialiving.com「鉄骨 防音の基礎知識|D値・L値で見る選び方」(2025年3月・2026年2月更新)/ LIFULL HOME'S「鉄筋コンクリート(RC造)の防音性はどのくらい?」(2025年4月更新)

重要な前提:「RC造だから絶対に静か」「木造だから絶対にうるさい」という単純な話ではありません。同じ構造でもスラブ厚・壁の厚さ・施工品質によって防音性は大きく変わります。構造はあくまで「目安」です。

② 【木造】防音性の体感と実態

木造
W造

木造(W造)

アパートの多くが木造。家賃が安いが防音性は最も低い

防音性レベル低(遮音性能目安:20〜25dB程度)

木造は構造材が軽く壁も薄い傾向があるため、音が最も伝わりやすい構造です。隣室の話し声・テレビの音・犬の鳴き声・猫の走り回る音が、壁一枚を通して聞こえることがあります。

体感事例:

  • 隣の部屋の会話がうっすら聞こえる(特に夜間・静かな時間帯)
  • 犬の吠え声が2〜3部屋先まで響く
  • 猫が夜中に走り回る音が下の階に伝わる
  • ドアの開閉音・トイレの水音が隣室に聞こえる
  • 上の階の足音が「ドスドス」とはっきり聞こえる

木造のメリット:家賃が最も安く、通気性が良いという利点があります。ペット可の場合でも敷金や家賃が抑えられることが多いですが、防音対策は必須です。

③ 【鉄骨造】防音性の体感と実態(軽量・重量の違い)

鉄骨造
S造

鉄骨造(S造)|軽量鉄骨と重量鉄骨で大きく異なる

骨格に鋼材を使用。軽量(6mm未満)と重量(6mm以上)で防音性が大きく違う

防音性レベル(軽量鉄骨)低〜中(20〜25dB程度)
防音性レベル(重量鉄骨)中(25〜35dB程度)
軽量鉄骨と重量鉄骨の防音性の違い(eTREE 2025年6月・SUUMO 2025年10月)

軽量鉄骨造は、壁の空洞に防音材が施工されていなければ木造と変わらない防音性です。一方、重量鉄骨は木造よりも厚い壁である場合が多く防音性は高くなります。また鉄骨自体は音を伝えやすい性質があるため、振動音・衝撃音が構造体を通じて伝わりやすいという特性があります。

出典:eTREE「防音性は建物構造でどう違う?」(2025年6月)/ SUUMO「鉄骨造(S造)の防音性は高い?」(2025年10月)

体感事例(鉄骨造で起きやすいこと):

  • 夜8時、上階で家具を動かす音が「ゴゴゴ…」と低い音で響く
  • 子ども・ペットが走り回る音が階下に響き、直接クレームが来るケースが増えている
  • 深夜、隣室で電話している声が聞こえる(軽量鉄骨の場合)
  • 洗濯機・乾燥機の振動音が構造体を通じて伝わる

出典:pialiving.com「賃貸 防音 構造の基礎」(2025年12月)

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④ 【RC造】防音性の体感と実態

RC造
鉄筋コン

RC造(鉄筋コンクリート造)|3構造の中で防音性が最も高い

コンクリートの密度が高く音を吸収・遮断。ペット可物件の理想的な構造

防音性レベル高(遮音性能目安:40〜50dB程度)
RC造の防音性能(LIFULL HOME'S・ウインズリンク 2025〜2026年)

コンクリートは密度が高く音を通しにくい性質を持っています。さらに鉄筋とコンクリートの複合構造が音の伝播を阻害します。木造や軽量鉄骨造と比べると鉄筋コンクリート造の防音性は格段に高いといえます。壁厚があり音を吸収・遮断する力が強いため、音のトラブルを避けたい方にとって安心の選択肢です。

出典:LIFULL HOME'S「鉄筋コンクリート(RC造)の防音性はどのくらい?」(2025年4月更新)/ ウインズリンク「鉄筋コンクリート造(RC造)の防音性能はどれくらい?」

体感事例(RC造でも注意が必要なこと):

  • 空気音(鳴き声・話し声)は大幅に軽減されるが完全には遮断されない
  • スラブ厚が薄い(150mm以下)物件では足音・ペットの走り回りが響くことがある
  • 直床構造(二重床でない)の場合、衝撃音が響きやすい
  • コンクリート打ちっぱなしの物件は音が残響しやすい場合がある

出典:stlink.jp「プロが解説!木造VSRC造 防音性の本当の違い」(2025年12月)

⑤ 構造別 防音性の一覧比較

構造防音性遮音目安主なリスクペット可での推奨度
木造(W造)20〜25dB鳴き声・足音・会話が響く要十分な対策
軽量鉄骨造(S造)低〜中20〜25dB振動音が伝わりやすい要十分な対策
重量鉄骨造(S造)25〜35dB衝撃音・固体音に注意対策で改善可
RC造(鉄筋コンクリート)40〜50dBスラブ厚・施工品質による推奨
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)最高50dB以上コスト高・物件数が少ない最も推奨

ペット可物件選びの目安:犬(特に吠えやすい犬種)を飼っている場合はRC造以上を強く推奨します。猫・小型犬であれば重量鉄骨造でも対策次第で対応できます。木造・軽量鉄骨造のペット可物件では、防音マットの全面設置と鳴き声のしつけが最重要課題になります。

⑥ ペット可物件でよくある騒音クレームの原因5つ

1

犬の吠え声(特に留守番中・早朝・深夜)

管理会社100社調査でも「鳴き声トラブル」はペット可物件の最多クレーム(GMO賃貸DX 2025年12月)。特に木造・軽量鉄骨造では隣室・上下階まで届く。留守番中の吠えは飼い主が気づきにくく苦情になりやすい。

2

猫・犬の足音・走り回りによる固体音

夜間に猫が走り回る音・大型犬がフローリングを歩く音は固体音として構造体を伝わる。RC造でもスラブ厚が薄い物件では下の階に「ドンドン」と響くケースがある。防音マット未設置の場合は特に問題になりやすい。

3

早朝・深夜の行動(飼い主の生活音も含む)

朝6時前の散歩準備・深夜のシャワー・早朝のペットへの対応など、飼い主自身の生活音が問題になるケースがある。木造・軽量鉄骨造では時間帯への配慮が特に重要。

4

ペットの臭いと音の複合クレーム

単独では我慢できても、臭いと音が重なると「もう限界」となりクレームに発展しやすい。アレルギーを持つ隣人との共存には特に気を使う必要がある。

5

共用部でのマナー違反(リードなし・排泄物放置)

廊下・エレベーター・エントランスでのリードなし歩行・排泄物の放置は管理会社へのクレームの頻出項目。構造的な防音とは関係なく発生するため、入居直後からの徹底が必要。

「今の物件でクレームが心配」という方もご相談ください

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⑦ 構造に関わらず今すぐできる防音対策7つ

1

防音マット・コルクマットを全面に敷く(最重要)

ペットの足音・走り回りによる固体音対策の最善策。厚さ1.5cm以上のコルクマット・EVAマットを全室・廊下まで全面に敷き詰める。部分設置では音が抜けるため「全面」が鉄則。入居初日から設置することが理想的。

2

防音カーテン・厚手カーテンで窓からの音漏れを抑える

窓ガラスは壁より薄く、空気音(鳴き声など)が特に漏れやすい箇所。防音カーテン(遮音材入り)を設置することで窓からの音漏れを軽減できる。木造・軽量鉄骨造では特に効果が大きい。

3

壁際に家具・本棚を配置して音を吸収させる

隣室との境界壁に本棚・ソファ・タンスなどの大きな家具を配置することで、音の反射・透過を軽減できる。本が並んだ本棚は特に吸音効果が高い。家具の配置換えだけでできる手軽な対策。

4

吠え声対策:留守番トレーニング・しつけ教室の活用

鳴き声は物理的な防音だけでは解決できない。分離不安による吠えはケージトレーニング・段階的な留守番練習で改善できる。難しい場合はプロのトレーナーや行動専門の獣医師に相談することが有効。

5

ペットの活動時間を管理(夜22時〜朝7時のルール)

深夜・早朝の音は日中の同じ音より大きく感じられる。22時〜7時の間は走り回り・大きな遊びを制限し、猫は昼間に十分遊ばせて夜間の活動量を下げるライフスタイルの工夫が有効。

6

防音テープで隙間を塞ぐ

ドアの隙間・窓の隙間から空気音が漏れることがある。防音テープ(隙間テープ)で隙間を塞ぐことで音漏れを軽減できる。費用数百円〜数千円でできる手軽な対策として効果的。

7

入居時に近隣挨拶を行い「ペットがいます」と伝える

同じ音でも「事前に聞いていた」か「何も言わずにいた」かで隣人の受け取り方が大きく変わる。両隣・上下階に手土産持参で挨拶し「犬(猫)を飼っています。気になることがあればいつでも声をかけてください」と伝えるだけで、万が一のクレーム時の関係性が大きく変わる。

⑧ 防音性の高い物件を選ぶための内見チェックポイント

  • スラブ厚を確認(200mm以上が理想。管理会社に直接質問する)
  • 二重床か直床かを確認(二重床の方が衝撃音を吸収しやすい)
  • 隣室との境界壁を軽く叩いてみる(空洞な「ペコペコ音」がする壁は防音性が低い)
  • 窓のサッシ・ガラスの厚さを確認(複層ガラス・防音サッシであれば音漏れが軽減)
  • 内見時に実際の生活音(水道・ドアの開閉・外の音)がどの程度聞こえるか確認
  • エレベーター・共用廊下が居室に面していないか(共用部からの音が入りやすい)
  • 管理会社に過去の騒音トラブルの有無を確認する
ペッターズ不動産 独自情報

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サイト掲載物件数 約1,000件
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当社が扱うペット可物件は、サイトに掲載しているのはそのごく一部です。物件情報の入力作業は手作業で行っているため、すべての物件を掲載することができない状況です。

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⑨ よくある質問(Q&A)

構造と防音性に関するよくある質問
Q
木造アパートでペットを飼うのは防音的に難しいですか?
A
難しい面はありますが、対策次第で改善できます。木造の遮音性能は20〜25dB程度と低く、鳴き声・足音が響きやすいことは事実です。防音マット全面設置・防音カーテン・しつけによる吠え防止・時間帯の管理を組み合わせることで、クレームリスクを大幅に下げることができます。小型犬・猫(鳴き声が少ない)であれば木造でも暮らせているお客様は多いです。(出典:LIFULL HOME'S 2025年4月・pialiving.com 2025年12月)
Q
RC造なら近隣への音の心配はほぼないですか?
A
大幅に軽減されますが、完全にゼロではありません。RC造でも「スラブ厚が薄い(150mm以下)」「直床構造」の物件では足音・ペットの走り回りが下の階に響くことがあります。また空気音(鳴き声)も完全には遮断されないため、大型犬や多頭飼いの場合は防音マットの設置やしつけとの組み合わせが有効です。(出典:stlink.jp 2025年12月・pialiving.com 2026年2月)
Q
軽量鉄骨造と重量鉄骨造では防音性はどのくらい違いますか?
A
大きく異なります。軽量鉄骨造(鋼材6mm未満)は防音材が施工されていなければ木造と変わらない防音性です。重量鉄骨造(鋼材6mm以上)は壁が厚い場合が多く、木造より防音性が高くなります。ただしどちらも鉄骨自体が音を伝えやすいため、振動音(足音・走り回り)が構造体を通じて伝わりやすいという共通の課題があります。(出典:eTREE 2025年6月・SUUMO 2025年10月)
Q
防音マットはどのくらいの厚さが効果的ですか?
A
コルクマット・EVAマットは厚さ1.5〜2cm以上が衝撃音の軽減に効果的とされています。部分的な設置では音が抜けてしまうため、床全面に敷き詰めることが重要です。また防音専用のペット用マット(遮音シート付き)は通常のコルクマットよりさらに効果が期待できます。
Q
内見時に防音性を確認する一番簡単な方法はありますか?
A
内見時に隣室との境界壁を軽く叩いてみることで、壁の密度・厚さをある程度確認できます。「ペコペコ」「コンコン」と軽い音がする壁は中が空洞の可能性が高く防音性が低いです。「ドン」と重い音がする壁はコンクリートや密度の高い素材の可能性があります。また内見時に実際の生活音がどの程度聞こえるかを確認することも重要です。

防音性もペット条件も、一緒に確認します

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⑩ まとめ

この記事のポイント

  • 木造・軽量鉄骨造の遮音性能目安は20〜25dB、重量鉄骨造は25〜35dB、RC造は40〜50dB(pialiving.com・LIFULL HOME'S 2025〜2026年)
  • 軽量鉄骨造は防音材がなければ木造と変わらない防音性。鉄骨は振動音を伝えやすい特性がある(eTREE 2025年6月・SUUMO 2025年10月)
  • RC造でもスラブ厚が薄い・直床構造の物件では足音・ペットの走り回りが響くことがある(stlink.jp 2025年12月)
  • ペット可物件の最多クレームは「鳴き声」、次いで「足音・走り回り」(GMO賃貸DX 2025年12月)
  • 今すぐできる対策:防音マット全面設置・防音カーテン・家具による吸音・しつけ・夜間の活動制限・挨拶回り
  • 内見時のチェック:スラブ厚・二重床か直床か・境界壁を叩いた音・管理会社へのトラブル有無確認
  • 「RC造以上を選ぶ」+「入居後の対策を継続する」の両輪がトラブル防止の基本

「構造を知ること」と「対策を実践すること」の組み合わせが、ペットと近隣入居者の双方にとって快適な住環境をつくる近道です。これから物件を選ぶ方は構造を重視した選択を、今の物件に住んでいる方は今日から対策を始めてみてください。

ペッターズ不動産では、RC造・防音性・スラブ厚まで確認したうえでペット可物件をご提案しています。お気軽にご相談ください。

代表

柴崎 孝行(ペッターズ不動産 代表)

不動産業界歴20年超。ペット可物件の防音性・構造の確認から入居後のトラブル相談まで幅広く対応。RC造・防音性重視の物件提案を得意とする。

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